コラム

なぜマツダCX-5からディーゼルが消えたのか? 欧州市場における“長距離の王様”の現在地【木下隆之コラム】《LE VOLANT LAB》

「欧州=ディーゼル主流」はもう過去の話

かつてヨーロッパで絶大な支持を得ていたディーゼルエンジンが、いま急速に存在感を失いつつある。「日本ではアンチディーゼル派が多く、欧州ではディーゼルが主流」そんな構図は、もはや過去の話になりつつあるようだ。
【画像8枚】かつて全盛だった欧州のディーゼルモデル、その現状は?
ドイツはヨーロッパの中央に位置し、実に9カ国と陸続きで接している。北はデンマーク、東はポーランドとチェコ、南はスイスやオーストリア、西にはフランス、ルクセンブルク、ベルギー、オランダと、欧州の主要国が並ぶ。だから、隣国へ足を伸ばすことは特別なことではない。EU圏内は越境のハードルが低く、日常感覚で国境を越える。かつて僕がドイツ西部に住んでいた頃も、物価の安いルクセンブルクやベルギーへ夕食の食材を買いに行くことが珍しくなかった。

国境越えが日常の欧州で“長距離の王様”だった時代

「今日はベルギーまで牛乳を買いに行こうか」。そんな会話が成立してしまうのがヨーロッパなのである。しかもドイツには、速度無制限区間を含む無料高速道路アウトバーンがある。移動距離は自然と伸びる。ならば燃費に優れ、長距離巡航が得意なディーゼル車が理想的――という時代が確かにあった。
だが、その風景が変わり始めている。理由のひとつは、新たな排出ガス規制「ユーロ7」への対応だ。厳格化する環境基準をクリアするためには、高度な後処理装置や制御技術が必要になる。結果として開発コストが増え、車両価格も上昇する。

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木下隆之

AUTHOR

1982年に全日本学生自動車王者に輝いた。出版社で編集部所属、独立してレーシングドライバーとして活動を開始してから40年となる。日産、ホンダ、三菱、トヨタとレーシングドライバー契約。レーシングカーはもちろんのこと、スカイラインGT-R、ホンダ・レジェンド、三菱ランサーエボリューション、レクサスLFAなどの開発に従事。国内外のトップカテゴリーで数多くのチャンピオンを獲得。スーパー耐久シリーズでは最多勝記録を更新中。ニュルブルクリンク日本人最多出場、日本人最高位記録保持。GTアジア選手権2連覇等、海外に活動の場を広げて活躍中。2023年からはトーヨータイヤと「プロクセスアンバサター」契約し、Team TOYOTIRESのドライバーとしてニュルブルクリンクに参戦を開始している。一方で、執筆活動も旺盛で、11本のコラムを連載中。「豊田章男の人間力」「ジェイズや奴ら」等を上梓。トヨタガズーレーシングアドバイザー、レクサスブランドアドバイザー、BMWスタディ・スポーティングディレクターを経験。数々の企業案件に参画してきた。サントメ・プリンシペ民主共和国・補佐官/トウキョウファーム経営戦略アドバイザー/日本カーオブザイヤー選考委員/日本ボートオブザイヤー選考委員/日本自動車ジャーナリスト協会会員/株式会社木下隆之事務所・代表

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