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伝統か、電動か。メルセデス次期「小型Gクラス」EV専売見直しに見る現実的なパワートレイン戦略

計画を覆した米国ディーラーの「現場の声」

メルセデス・ベンツが開発を進めている「小型Gクラス」(通称「リトルG」)のパワートレイン戦略において、大きな方針転換があったことが判明した。当初は完全な電気自動車(EV)としての展開が予定されていたが、販売店からの強い要望により、ガソリンエンジン搭載モデルの追加が決定したのである。
【画像14枚】メルセデス新型「リトルG」、米ディーラーの猛反発でEV専売を撤回!

メルセデスAMGのCEOであるミヒャエル・シーベ氏によると、この決定的な要因を作ったのは北米のディーラー陣である。米国のディーラーが先行試乗会に参加した際、内燃機関(ICE)モデルの提供を強く求める声が上がった。シーベ氏自身も「ICEバージョンが必要だという明確なフィードバックがあり、即決で投入を決めた」と認めている。現場で顧客の生の声を聞き、販売状況を綿密に監視しているディーラーたちは、EV専用プラットフォームでは売れないと判断したとみられる。結果として、彼らの声はメーカーの根幹となる計画を変更させるほどの強い影響力を行使したのである。

背景にある「EVシフトの減速」とインフラ問題

この方針転換の背景には、自動車業界全体を覆うEVへの関心低下と計画の見直しがある。多くの自動車メーカーがEV計画の撤回を始めているなか、メルセデス・ベンツもその最新の事例となった。

EVの普及速度は市場や地域によって大きく異なり、充電インフラが未整備なエリアでは、小型Gクラスであっても魅力が半減してしまう可能性がある。ガソリンエンジンモデルの追加は、こうした航続距離やバッテリー切れに対する見込み客の不安を払拭し、ビジネスを成功に導くための極めて現実的な判断であったと言える。

「リトルG」の全貌と予想スペック

1970年代後半の登場以来となる最高販売記録を2025年に打ち立てた、由緒あるGクラス。その商業的成功を足がかりに開発されているのが、よりコンパクトで低価格帯を実現したリトルGである。

デザインは、フルサイズのGクラスを75%にスケールダウンしたような姿になる見込みだ。すでに、小文字の「g」がびっしりと描かれたアシッドグリーンとライトグレーのプロトタイプが目撃されている。パワートレインに関しては、EVモデルが85kWhのバッテリーパックを搭載すると予想されている。一方のガソリンモデルには、ターボチャージャー付きの4気筒ハイブリッドが搭載される見込みだ。どちらのモデルも、真のGクラスを求める顧客にとって、はるかに低価格でGクラスファミリーの一員となることを可能にするはずだ。

発売時期と今後の展開

話題のリトルGは来年の発売が予定されている。しかし、ガソリンエンジン搭載モデルが初期ラインナップに用意されるかどうかは不透明だ。ガソリンモデルの開発は後から追加された計画であるため、メルセデスはまず純粋なEVモデルを先行して投入し、その後にガソリンエンジン搭載モデルを追加するという販売戦略をとる可能性が高いと見られている。

【ル・ボラン編集部より】

EV専売の撤回劇を、単なる計画の狂いと捉えるべきではない。最新のBEV版「G580」が電動化とラダーフレームの共存で我々を驚かせたように、メルセデスは変えるべきものと守るべきものの境界を熟知している。北米ディーラーからのICE追加という強烈な要望は、インフラの未成熟さのみならず、Gという名が背負う「どこへでも行けるタフネス」への絶対的な信頼の証左だ。時代に迎合するだけでなく、現実主義を取り入れる柔軟性こそが、この孤高のオフローダー一族を生きながらえさせる原動力なのである。【画像14枚】メルセデス新型「リトルG」、米ディーラーの猛反発でEV専売を撤回!

LE VOLANT web編集部

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