メルセデス・ベンツ、ICE版「Cクラス」を大幅刷新。全車電動化と最新MB.OSで次世代へ
メルセデス・ベンツは2026年8月17日、主力モデルである「Cクラス」のセダンおよびステーションワゴンに、同モデル史上最大規模となる包括的な技術的アップグレードを施したと発表した。今年春に発表された完全電気自動車(BEV)版の「Cクラス・エレクトリック」とは異なり、こちらは既存の内燃機関(ICE)モデルの大幅改良版となる。新世代の車載OSやAIアシスタントの導入、全車電動化されたパワートレインなど、多岐にわたる進化を遂げている。
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スポーティさと威厳の共存。AIがもたらす革新のデジタル体験
外観はスポーティなシルエットを継承しつつ、フロントとリアのデザインをシャープに引き締めている。新たに照明付きのラジエターグリルや、スリーポインテッドスターの意匠を組み込んだ新デザインのヘッドランプおよびテールライトを採用し、より表現力豊かで威厳のある存在感を放つ。また、ドアを開けると地面に星のパターンを投影するライトプロジェクターがサイドシルに組み込まれ、乗るたびに特別な演出を提供するようになった。
室内空間の進化も著しい。インフォテインメントシステムには第4世代のMBUXが採用され、新開発のソフトウェアアーキテクチャであるMB.OS(メルセデス・ベンツ・オペレーティングシステム)が車両のあらゆる領域を統合制御する。注目すべきは、AIを活用したMBUXバーチャルアシスタントの導入だ。マルチエージェント技術を組み合わせることで文脈を維持した複雑な会話が可能となり、ナビゲーションの目的地設定から最新の株価、スキー場の雪質まで、まるで情報通の友人のように自然な対話でドライバーをサポートする。
全車MHEV/PHEV化へ。ISG 2.0が叶えるシームレスな加速と高効率
パワートレインは、次期ユーロ7排出基準への適合を見据えて大幅な改良が施された。アップデートされたグレード構成は、2L直列4気筒ガソリンエンジンの「C 200」「C 250」「C 300」、2L直列4気筒クリーンディーゼルエンジンの「C 200 d」「C 250 d」、そしてプラグインハイブリッドの「C 300 e」「C 400 e 4MATIC」といった多彩なラインナップが用意され、一部グレードには四輪駆動の4MATICも設定される。
特筆すべきは、純内燃機関モデルの全車に第2世代の統合型スタータージェネレーター(ISG 2.0)と48V電気システムが搭載され、マイルドハイブリッド(MHEV)化されたことである。このシステムは最大17kWの追加出力と205Nmのトルクでエンジンをアシストし、滑らかな発進や燃費を節約するコースティングを可能にしている。さらにガソリンモデルには新開発の電動補助コンプレッサーが組み込まれ、ターボラグを解消して低回転域からリニアな加速を実現した。
また、プラグインハイブリッドモデルは容量19.53kWhの高電圧バッテリーを搭載し、電気のみでの航続距離は最大100kmに達する。日常的な都市部の通勤や移動であれば、エンジンを使わず電気自動車として十分に機能する実用性を誇る。
俊敏と快適の高次元な両立。MB.OSが支える次世代の安全運転支援
走行性能の面でも抜かりはない。サスペンションはダイナミクスを高めるために再チューニングされ、俊敏なハンドリングと長距離の快適性を高次元で両立させている。さらに、最大2.5度の操舵角を持つリアアクスルステアリングが引き続き設定され、最小回転半径を5.32mに抑えることで、日常の取り回しやすさと高速走行時の安定性を格段に向上させている。
運転支援システムも、MB.OSの圧倒的な演算能力を活かして強化された。最大10個のカメラや5個のレーダーセンサー、12個の超音波センサーからの情報をAIアルゴリズムがリアルタイムで処理し、ウインカー操作のみでの自動的な車線変更や、一時停止標識や赤信号での減速サポートなど、より高度な安全運転支援を提供する。
内燃機関は終わらない。クラシックからモダンへ変貌を遂げた新境地
メルセデス・ベンツ・グループAGの取締役会メンバーであり、セールス&カスタマーエクスペリエンスを担当するマティアス・ガイセン氏は、今回のアップデートについて次のように述べている。
「新型Cクラスは、連続性と革新が互いに排他的ではないことを証明しています。スポーティなエレガンス、電動化されたハイテクパワートレイン、MB.OSを搭載したインテリジェントなサポートにより、ドライバーが真に必要とするもの、すなわち証明された信頼性と、日常生活に真の付加価値を生み出す革新的な技術を提供します。このようにして、親しまれたクラシックモデルがモダンなコンパニオンへと変貌するのです」
完全な電気自動車化への過渡期にあっても、内燃機関を求める声は依然として根強い。新型Cクラスは、長年培われてきた信頼性と最新技術をシームレスに融合させることで、ミッドサイズセグメントにおける揺るぎない選択肢としての地位をさらに強固なものとしている。注文の受付は、欧州市場において2026年8月18日より開始される。
【ル・ボラン編集部より】
今春公開のBEV版「Cクラス・エレクトリック」とデザインの方向性を共有しつつ、ICE版も大幅な進化を遂げた。だが最大の注目点は、熟成を極めた内燃機関と最新のMB.OSという新旧技術の高次元での共存にある。ISGの恩恵による黒子に徹したエンジンフィールと後輪操舵は、かつて「ミニSクラス」と評された重厚で無駄のない操縦性を現代の文脈で再構築している。電動化への過渡期にあえて内燃機関を極限まで磨き上げた点に、メルセデスの確固たる哲学を見る思いである。
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