ブガッティが新型「トゥールビヨン」の自然吸気V16エンジンの開発秘話を公開
ブガッティ・オートモビルズは2026年9月3日、次世代ハイパーカー「トゥールビヨン」に搭載される完全新設計の自然吸気V16エンジンのサウンド開発に関するプレスリリースを発表した。20年以上にわたってブランドを象徴してきたW16エンジンに代わり、電動パワートレインと組み合わされる新たなV16エンジンがどのような響きを持つのか。ブガッティのエンジニアたちが3年の歳月をかけて完成させた、新時代の「声」の秘密に迫る。
【画像8枚】究極のサウンドと美しさの融合。ブガッティ新型「トゥールビヨン」をギャラリーで見る
ブガッティの伝統を受け継ぐ「荒々しい」サウンド
過去20年以上の間、ヴェイロンからボライド、ミストラルといった数々の名車に搭載されてきたW16エンジンのサウンドは、ブガッティというブランドのアイデンティティそのものであった。そして今、新時代の幕開けを担うトゥールビヨンのサウンド開発にあたり、ブガッティの技術者たちは白紙からではなく、自らの伝統にインスピレーションを求めたのである。トゥールビヨンには、電動パワートレインと組み合わされる完全新設計の自然吸気V16エンジンが搭載される。

NVHおよび音響部門の責任者であるロマン・ヴォラティエ氏によれば、ブガッティのエンジン音は決してクリーンなものではなく、常に少しダーティで荒々しいという特徴を持っていたという。開発チームは、この荒々しさをサウンドの重要な鍵として維持することを決定した。しかし、根本的に性質の異なる全く新しいパワートレインにこの哲学を反映させることは容易な作業ではない。チームはパフォーマンスと洗練性、そしてブガッティ特有の荒々しさの適切なバランスを見つけ出すため、排気系や吸気系に対して何千回にも及ぶシミュレーションを繰り返した。
ドライバーとの感情的なつながりと洗練性の両立
開発においてさらに求められたのは、毎日使用できる日常性を保ちながら、ドライバーとマシンの間に真のつながりを生み出すことである。車両開発ドライバーを務めるパオロ・マグローネ氏は、スロットル操作に応じてエンジン回転数が上昇していく音と感覚を感じ取れることが、テストドライバーにとって非常に重要であると語っている。この感情的なつながりと日常における洗練性のバランスこそが、音響開発における最大の課題であった。窓を閉めて電気(EV)モードで走行する際にはキャビンを快適に保つ一方で、ドライバーが望めばV16エンジンの真のキャラクターを存分に発揮させなければならない。

窓を下ろせば吸気と排気の生の音が車内に流れ込み、より没入感のある体験が得られるように設計されている。ここで極めて重要なのは、乗員の耳に届くすべての音がスピーカーなどを介した人工的なエンジン音ではなく、純粋に機械的に生成されたサウンドだという点である。
厳しい法規制をクリアした9000回転の咆哮
感情を揺さぶる音を作り上げる一方で、もう一つの大きな壁となったのが法的なホモロゲーション(型式認定)のクリアである。関連するテストにおける最大許容騒音レベルは72デシベルと定められているが、これは単一の測定で達成できるものではない。定速走行や加速走行など複数の測定を組み合わせる必要があり、さらにはエンジン音だけでなく、タイヤやボディ、そして大きなダウンフォースを発生させるリアウィングなどの空力要素から発せられる車両全体の音もマイクに拾われることになる。加えて、気温や風速などの環境条件も厳密なパラメーター内に収める必要があり、突風一つで走行テストが無効になるほどシビアな環境での開発が求められた。

事前の多数のテストを経て、トゥールビヨンは見事にすべてのホモロゲーション要件をクリアした。ヴォラティエ氏は、合法でありながら素晴らしいサウンドを実現できたことに自信を見せている。およそ3年にわたる開発を経て最終形態に達したトゥールビヨンの音響特性は、9000rpmまで吹け上がる自然吸気V16エンジンによって、ブガッティの伝統を新たな時代へと高らかに響かせるのである。
【ル・ボラン編集部より】
W16エンジンから自然吸気V16への転換は、単なる時代の波に迎合した結果ではない。かつてW16ミストラルが「最高速の狂気とオペラ座へ向かう静寂」を両立させたように、新型トゥールビヨンもまた、日常の洗練性と9000回転で咆哮する内燃機関の荒々しさを見事に共存させている。厳しい法規制を前に人工音へ逃げず、純粋な機械音を抽出した点に名門の執念を見る。EVモードの静粛性とV16の野性味。この相反する二面性を意のままに操る特権こそ、新時代における至高の贅沢である。
【画像8枚】究極のサウンドと美しさの融合。ブガッティ新型「トゥールビヨン」をギャラリーで見る
※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。