































モータースポーツの裾野を広げる入門用カート「GR KART」をGAZOO Racingが発売
GAZOO Racing(以下、GR)は2026年9月10日、モータースポーツの入口として子どもから大人まで楽しめる入門用レーシングカート「GR KART」を発売した。価格は38万5000円(税込)で、国内の一部カートコースやGR Garageにて取り扱われる。ミニバンでの運搬や立て置き保管が可能で、メンテナンスの手間も抑えられた画期的な一台だ。さらに同日、島根県江津市で開催される市街地レースへの出走も発表され、早くも注目を集めている。
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モリゾウの夢を具現化。「クルマ屋」の矜持とトヨタ生産方式が息づく本格シャシー
GRがモータースポーツの裾野拡大を目指して開発したGR KARTは、子どもたちやファミリー層がモータースポーツに気軽に触れられるように設計された入門用レーシングカートだ。
レーシングカートはクルマを操る楽しさをダイレクトに体感できる一方で、車両価格や運搬、保管、整備などのハードルが高く、入門者にとって大きな障壁となっていた。モリゾウこと豊田章男会長の、野球やサッカーのように誰もがモータースポーツに挑戦できる環境を作りたいという思いから、このカートは誕生した。
そのため、「クルマ屋がつくるカート」として、クルマづくりで培ってきた知見や工夫が惜しみなく注ぎ込まれている。生産は「蒲郡GR KART工房」が担い、トヨタ生産方式の考え方に基づき、品質の確保や原価低減を進めながら一台一台丁寧につくられている。
ミニバン積載と「立て置き保管」が、レーシングカートの常識を覆す
GR KARTの最大の特徴は、所有する負担を大幅に軽減するパッケージングである。車両サイズは全長1820mm×全幅1160mm×全高670mm。分解せずに「ノア」や「ヴォクシー」といったミニバンに積載可能で、大型の専用トランスポーターを用意しなくても日常のクルマでカートコースへ運ぶことができる。
また、保管面でも画期的な工夫が凝らされている。立て置き対応のエンジンオイルキャッチタンクや、フロート室を持たないキャブレターの採用などにより、ガソリンやオイルを入れたままでもカートを立てて保管することが可能だ。
メンテナンス面でも、チェーンオイルによる汚れがなく張り調整が不要なベルト駆動を採用している。エンジンには自己充電式のバッテリーが内蔵され充電の手間を省いているほか、始動前に燃料を引き込むプライマリポンプを備え、走行前の作業も簡単に行える仕様となっている。
身長135cmから185cmまで。ワンタッチ調整機構が叶える「家族でのシェア」
家族で一台のカートを共有できるよう、ワンタッチで操作できるペダルスライドとステアリングチルト機構が採用された。これにより身長135cmから185cmまで、子どもから大人まで柔軟にポジションを調整できる。最大15kgのウエイトを搭載できるウエイトBOXも装備され、レース時の重量調整も容易に行える。
安全性と耐久性にも優れており、リアシャフトには錆びにくいステンレス材を使用している。他車の乗り上げを抑制するバンパー形状や、ハブ抜けを防ぐストッパーピンなど、入門者が安心して扱える設計が施されている。さらに、専用アプリを通じ、購入前の学習からドライバーパスポートの取得まで一貫したサポートが提供され、別途ライセンスを取得しなくても対応コースで走行を楽しむことが可能だ。
舞台は日常の街並み。9月13日、島根県江津市の市街地レースでベールを脱ぐ
GR KARTの発売と同日、この新型カートが島根県江津市の市街地レースを駆け抜けるというニュースも発表された。2026年12月12日(土)と13日(日)に開催される「52未来プロジェクト2026」のメインコンテンツ「A1市街地グランプリGOTSU2026」において、12台のGR KARTの出走が決定したのである。
レースが実施される9月13日には、日常の街並みを舞台とした特設コースを発売されたばかりのカートが走ることになる。誰もが主役になれるレースを掲げる同グランプリと、より多くの人が挑戦できるモータースポーツを目指すGR KARTの理念が共鳴し、モータースポーツと地域との距離を縮める新たな風景が発信される。誰もが気軽に挑戦できるモータースポーツの第一歩として、この新しいカートの今後の展開に大きな期待が高まる。
【ル・ボラン編集部より】
GRが近年、GRヤリスなどに8速AT「GR-DAT」を導入し、スポーツドライビングの敷居を下げてきた哲学は、ついに公道の枠さえ超えた。本格的なレーシングカートには常に運搬や保管という物理的障壁が立ちはだかるが、本作はミニバンへの積載や立て置き保管を可能にすることで、その「所有のジレンマ」を見事に解消している。クルマを操る根源的な悦びを提供する本作は、かつて多くの若者を育てた草の根モータースポーツの精神を、現代のトヨタ生産方式で再定義したものと言える。市街地レースでのデビューも痛快である。
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