クラスを超えた長距離ツアラー。プジョー2008と過ごした濃密な1週間
プジョーのコンパクトSUV「2008」に新開発の48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載した「GTハイブリッド」は、2025年8月に日本市場に導入された。今回は、1週間で1031kmという長距離テストを敢行。市街地から雨の高速道路、さらにはワインディングまでを走り込み、実燃費は15.8km/Lを記録した。この記事では、日本市場における戦略的な価格設定や、フランス車ならではの長距離適性、そしてハイブリッドパワートレインの乗り味をレポートする。
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日常からワインディングまで。1週間の生活で見えた「15.8km/L」の価値
数時間程度の短い試乗では見えてこないクルマの真価を探るべく、今回はプジョー2008 GTハイブリッドと1週間を共にし、1031kmに及ぶ長距離テストを実施した。走行区間の内訳は、高速道路が約6割を占め、一般道路が約300km、ワインディングが約100kmという、比較的リアルな生活者目線での走行環境といえるだろう。
試乗車は、4万9500円のオプションカラーであるオブセッション・ブルーを纏っており、フロントサイドの「三本爪」シグネチャーライトからボディサイドのキャラクターライン、リアに至るまで、ケレン味たっぷりのフレンチデザインが所有欲を大いに刺激してくれる。
この長距離テストで記録した実燃費は15.8km/L。WLTCモード燃費である21.5km/Lや、燃費性能に特化した国産のライバル車と比較すれば絶対的な数値は譲るかもしれない。しかし、今回のテストでは燃費をことさら意識することなく、ドライバーの「意のまま感」を最優先して比較的ハイペースで走り回った。その結果としての15.8km/Lという数値には全く文句がなく、趣味性に重きを置いてこのクルマを選んだとしても、実用燃費で後悔することはないはずだ。
欧州価格との比較から紐解く、日本市場への熱意と「442万円」の凄み
このプジョー2008 GTハイブリッドに搭載されるパワートレインは、最高出力136ps(100kW)を発揮する1.2L直列3気筒ガソリンターボエンジンに、15kWの電動モーターを内蔵した6速DCT(e-DCS)を組み合わせた48Vマイルドハイブリッドシステムだ。これはステランティスグループのコンパクトセグメントで共通のものだが、例えば同システムを積むプジョー5008 GTハイブリッドが車両重量1740kgであるのに対し、この2008は1330kgと最も軽量。そのため、懸念されがちなエンジンパワーも必要十分以上の余裕を持っている。
ここで特筆しておきたいのは、日本市場における価格設定の凄みだ。ル・ボラン編集部として海外ニュースを発信する中で悩ましいのが、円安による価格の印象だ。1ユーロ180円(本稿執筆時)という水準の中、今回試乗した仕様に相当するフランス本国のモデル(2008 GT Hybrid 145 ch Automatique)は3万3520ユーロであり、単純に円換算すると約604万円に達してしまう。それを踏まえると、日本市場において442万円(税込)という車両本体価格を実現している背景には、インポーターやディーラーの並々ならぬ企業努力があることは想像に難くない。
とはいえ国産コンパクトSUVではホンダ・ヴェゼルやマツダCX-30のトップグレードでも400万円切り。レクサスLBXのエントリーグレードが420万円~で、ずばり価格的には比較対象となるだろう。
この戦略的な価格設定において、プジョー2008 GTハイブリッドはどのような「フランス流の価値」を提供してくれるのか。長距離移動で見せた感心するほどの快適性と、少しばかりの“クセ”、そして独自の世界観をレポートしていきたい。
腰痛持ちも絶賛。雨の高速250kmで痛感したフランス車ならではの美点
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