ルノー、カングーのEVモデルを大幅改良。航続距離延長と新モーターを採用
ルノーは欧州で2026年10月9日、小型商用車「カングー・バン」および乗用モデル「カングー」の大幅なアップグレードを発表した。特に電気自動車(BEV)である「E-Techエレクトリック」において、大容量化された新バッテリーや出力の異なる2種類の新電気モーターを採用している。これにより航続距離の延長や充電性能の向上が図られ、最新システムの導入と合わせて日常的な使い勝手が大きく引き上げられた。
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バッテリーの大容量化と急速充電性能の向上
新型ルノー・カングーにおける最大のトピックは、電気自動車モデルであるE-Techエレクトリックの航続距離と充電性能の改善である。NMCテクノロジーを用いた新世代バッテリーは、従来の45kWhから52kWhと容量が拡大された。

これによりモデルやボディスタイルに応じて、最大354kmの航続距離を達成している。また直流急速充電の最大出力が従来の80kWから100kWに引き上げられた。バッテリー残量15%から80%までの充電時間は30分へと短縮され、わずか30分の充電で240km分の航続距離を回復できる。交流充電においては11kWと22kWのオプションが用意されており、日常生活における柔軟性が増している。
パフォーマンスを高める2種類の新モーター
動力性能の面でも進化を遂げている。新しいバッテリーは、従来の90kW仕様に代わり、2つの新しい出力レベルを持つ新世代電気モーターへと電力を供給する。ひとつは最高出力135ps、最大トルク270Nmを発揮し、もうひとつは最高出力155ps、最大トルク300Nmを達成する高出力版である。これらにより加速や追い越し時のドライバビリティが向上した。

ドライブモードは135psバージョンでエコまたはノーマルが選択でき、155psバージョンにはフル積載時に有用な「Perfo」モードが新たに追加された。さらに回生ブレーキのレベルは4段階へと増え、ステアリングホイールのパドルシフトを使って減速やエネルギー回生の強度を直接調整することが可能となった。
最新のインフォテインメントとEV専用機能の拡充
車内のインターフェースも完全に再設計された。マルチメディアシステムには新しい10インチのタッチスクリーンを備えた「OpenR Link」が採用され、表示品質の向上とともに応答速度が2倍に高まっている。スマートフォンミラーリングに対応するほか、仕様によってはHEREのマップソリューションを統合したナビゲーション機能が利用可能である。

電気自動車モデルにはEVルートプランナーや、充電前にバッテリーを最適に保つプレコンディショニング機能が集約された。くわえて、車外で電動工具などの電気機器に給電できるV2L機能も新たに追加され、実用性が一段と高められている。操作系ではコンパクトな新しい「e-shifter」が採用され、センターコンソールのスペースが拡大された。
メイド・イン・フランスの伝統と多様なラインナップ
ルノー・カングーは1997年のデビュー以来、一貫してフランスのモーブージュ工場で製造されてきた。今回の新型モデルも同様にフランス国内での強固な生産体制を維持しており、新バッテリーはドゥエーで、電気モーターはクレオン工場でそれぞれ生産されている。

一般向けの乗用モデルはエボリューションとテクノの2つのトリムが展開され、ロングバージョンのグラン・カングーも引き続き設定される。詳細な価格については数週間以内に発表される予定である。
【ル・ボラン編集部より】
カングーの本質は、過酷に使える「プロの道具」としての機能性と、休日を予感させるおおらかな乗り味の両立にある。今回の大幅改良で最新EVシステムやV2Lを纏ったが、配達員からキャンパーまでを支える包容力は健在だ。むしろ電気モーターの静寂性と滑らかなトルクは、ルノー伝統のしなやかなフラットライドをさらに上質に際立たせる。最新鋭の電動化を果たしつつ、どこか懐かしく寄り添う「相棒感」を見事に成立させている点に、フランス流の合理主義が光る。















