













2016年式トミーカイラZZ(EV)
キョウセイドライバーランドで開催された旧車競技「第76回タイムトンネルトライアル」に、異彩を放つEVスポーツが姿を見せた。京都大学発のベンチャー・GLMが99台限定で世に送り出した「2代目トミーカイラZZ」である。最高出力305psを誇りながらABSすら持たない硬派なマシンを駆り、無音のままテールを滑らせてコースを攻めるオーナー・内藤宏章さんのユニークな愛車ライフに迫る。
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スーパーセブンやジネッタに混じって出走! リアフードに収まるのはエンジンではなくモーター
キョウセイドライバーランドで長年にわたり続いているヒストリックカーでのモータースポーツ「第76回タイムトンネルトライアル」が2026年9月21日に開催された。この日は、スーパーセブンやジネッタG12が出走し、また時にはフォーミュラカーなどが出走することもあるハイパフォーマンスカーのカテゴリー「SSクラス」に、見慣れない新しめのスポーツカーが並んでいた。
慣熟走行を終えたばかりということで、開かれたリアフードの中を見るとエンジンではなくEVのユニットがあるのも、なんとも不思議な光景だ。そこでオーナーの内藤宏章さんにお話を伺ってみたところ、パワートレインをEVにコンバートしたのではなく、当初からEVとして販売されたクルマだという。
限定99台の「2代目トミーカイラZZ」は、都内で活躍した元カーシェア車両?
トミタ夢工場の創設者である富田義一氏と、レーシングカーエンジニア解良喜久雄氏が立ち上げた「トミーカイラ」の本格的オリジナルスポーツカー「トミーカイラZZ」を源流とし、京都大学発のベンチャー企業グリーンロードモータース(GLM)が、そのネーミングを継承して復活させた量産型EVスポーツカー、2代目トミーカイラZZだという。
初代のコンセプトを受け継いだアルミ製モノコックにFRPカウルを被せたボディはそのままに、パワートレインをEV化して生まれ変わり、2014年に99台限定で販売が開始されたのが、このトミーカイラZZ(EV)だそうだ。
内藤さんがこの珍しいEVスポーツカーを購入したのは5~6年前のこと。「ケイマンとかちょっとハイスペックのクルマを扱っている中古車屋さんに並んでいたんです」
購入後に調べてみたところ、トミーカイラZZ(EV)の発売当時にハイクラスのクルマを対象としたカーシェアサービスが有楽町にあり、そこで運用されていたが、事業終了とともに中古車市場に出てきたのだろうと内藤さんは推理。さらにその後の調査で、イエローボディにストライプの入った個体はこの1台ということからも、その出所は間違いなさそうだ。
航続距離120kmゆえに参戦は地元限定! NSXやRC Fを凌駕する加速と無音のテールスライド
そんな内藤さんであるが、もともと愛車の三菱i-MiEVで東海地区や名阪スポーツランドで開催されるジムカーナやオートテストを楽しんでいたそうだ。「もう少しパワーのあるクルマで競技をしたい」と考えた時に、このトミーカイラZZ(EV)を見つけて購入に至ったという。
内藤さんにとって、ここキョウセイドライバーランドは何度も走行したことのあるホームともいえるサーキットであるが、この日の「タイムトンネルトライアル」はタイトルが示す通りヒストリックカーイベントである。
せっかく近場で開催されるイベントなので出たいと問い合わせたところ、ABSなどの電子デバイスは付いていないということで、主催者判断によりレーシングカーやそれに準じたマシンによる「SSクラス」への出場が認められた。
ちなみに、通常時はフル充電での航続距離120kmくらい。タイヤのグリップが増すと極端に電費が悪くなることもあり、「会場が同じ市内にある、ここでの競技しか参加はできません」とのこと。遠方での競技に出てみたいと思うものの、インフラの心配が大きいそうだ。
NAエンジンの3.5Lクラスに相当するというトミーカイラZZ(EV)。最高出力は305ps、最大トルク42.3kg-m、パワーウェイトレシオは約2.79kg/psで、0-100km/h加速3.9秒という動力性能はホンダNSXやレクサスIS F、RC Fをも上回る数値ということから、この日の走行もテールを滑らせるパワフルなシーンを「無音」のまま見せてくれたのだった。
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