快適性能だけではなくハンドリングも優秀
’82年の初代デビュー以来、ダンロップのコンフォート系タイヤとして長年販売されてきたのが「ル・マン」シリーズだ。今回は「LE MANS Ⅴ」の実力を改めてチェックしてみる。
LE MANS Ⅴは、低燃費性能を備えたコンフォートタイヤだ。タイヤグレーディングで転がり抵抗/ウエットグリップ=AA/b(c)を獲得しており、エコタイヤとして優秀な性能を持っている。コンフォート性についても、先代モデルとなるル・マン4と比べ、乗り心地(突起乗り越し比較)10%、騒音ではパターンノイズ32.4%、ロードノイズ36.9%低減している。同時に耐摩耗性も27%向上しており、経済性にも優れたタイヤになっている。
ダンロップの住友ゴム工業は、2017年の東京モーターショーで、技術開発コンセプト=スマートタイヤコンセプトを掲げ、近い未来に向けて同社が目指すタイヤの姿を示したが、これは遥か遠くの話ではなく、低燃費技術ロングライフ性能、ノイズ低減技術などコンセプトの構成要素となる技術は現在あるタイヤにも搭載される技術とつながっており、このLE MANS Ⅴにも盛り込まれている。その技術的な内容を説明するには紙幅が足りないが、トレッドデザイン、タイヤプロファイル、吸音スポンジ(サイレントコア)、溝壁の突起(溝壁セレーション)、コンパウンド開発技術プロダクトとしてのLE MANS Ⅴは、低燃費系コンフォートタイヤというキャラクターを持っている。
走らせてみると明らかに「静か」と感じるくらいノイズが少ない。しかも乗り心地がソフトで細かな路面の凹凸をきれいに吸収してタイヤが滑らかに転がってくれる感触がある。さらに加えて、転がり抵抗が少ないので、発進でクルマが軽く、高速道路では車速を維持するのが容易になり、またアクセルペダルの踏み込み量も少なくなる。実は自分のクルマ(アウディS4)にも1年ほど装着して感じたが、操縦性もとても好ましいものだった。タイヤ自体はマイルドでしっとりした乗り味だからシャキっとした動きは苦手だが、ステアリングを切り出していくと、クルマの向きがスーッと変わってくれ、応答性の良いタイヤ(特にリア)ならではの動きが出ていて、気持ちよく走れるのが印象的だった。そう、LE MANS Ⅴを装着して、高速道路燃費がビックリするくらい良くなったことも付記しておこう。
ダンロップ・ル・マン ファイブ
●問い合わせ先
住友ゴム工業℡0120-39-2788
https://tyre.dunlop.co.jp/