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ボッシュが日系メーカーとの連携を強化

48Vマイルドハイブリッドを供給し、スマートフォン・キーの開発も進める

最大手のグローバル・サプライヤーであるボッシュが日本の自動車メーカーとの連携を強めている。日本国内における2018年度の売上高は10%増の約3250億円となり、日本車にもそのテクノロジーが浸透。連携カテゴリーはパワートレイン、先進安全性能、ボディエレクトロニクスと多岐におよんでおり、今後も連携強化は進むものと思われる。
そのボッシュが日本で実用化の近いテクノロジーをいくつか公表したが、なかでも気になるのが48Vのマイルドハイブリッドシステムとスマートフォン・キーだ。48Vのマイルドハイブリッドは欧州車で多く採用されているが、日本ではまだ見られない。EU(欧州連合)のCO2規制に対応するための搭載という色合いが濃く、プリウスに代表されるストロングハイブリッドが広く行き渡っている日本では普及しにくいといわれてきたが、コストが比較的低く、技術の進化で性能向上が期待できる面もあり、そのあたりをボッシュは狙っているようだ。

ボッシュの新しいハイブリッド車用48Vバッテリー

スマホがそのままキーとなるスマートフォン・キーは以前からその技術は知られていたが、ここにきてリレーアタックによる車両盗難がクローズアップされたことで注目が集まっている。ボッシュの「パーフェクトリーキーレス」はブルートゥース通信を利用することで、スマートキーが発する電波を悪用するリレーアタックを防げる効果があり、これは実用化が待たれる。クラウド経由でデジタルキーを管理することも可能なため、カーシェアリングなどでの活用も期待できる。ボッシュは開発車両も日本で公開し、力を入れていく構えも見せた。

パーフェクトリーキーレスのアプリが入ったスマートフォンが紛失、または盗難に遭った場合は、デジタルキーをオンラインで無効にするだけで、車両へのアクセスをブロックできる。

エレクトロニクス主体の新技術は、先進安全機能も含めサプイヤーが主導して自動車メーカーに提供する形が増えており、サプライヤー同士の競争も激化している。各国の法規にも柔軟に対応できるためグローバルでの展開が進んでいるが、自動車メーカーはサプライヤー名を明らかにしないことも多く、前述のボッシュの新技術が日本車にどんな形で採用されていくのか分かりにくい面もある。縁の下の力持ち的存在ではあるが、その技術力が最新のクルマの性能を支えていることは知っておいて損はないだろう。

ル・ボラン2019年9月号より転載
田畑修

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