第三世代となるコンチネンタルGTのラインナップに、待望のV8モデルが追加設定された。そのエレガントな佇まいはそのままに、W12とは違った走りのテイストを披露してくれた!
軽快な走りはV8ならでは
新型コンチネンタルGT V8のデリバリーが、いよいよ始まった。V型8気筒4Lツインターボエンジンは最高出力が先代V8比で43ps増の550ps、最大トルクが110Nm増の770Nmとされ、W12同様に8速DCTと組み合わされる。そして4WDシステムは、通常はほぼ後輪だけを駆動し、必要な時のみ前輪にも駆動力を分配するというスペックを見れば、それだけでスポーティな走りへの予感は高まるばかりである。
0→100km/h加速はW12の3.7秒に対して4.0秒となるが、一方で車重は100kgも軽い。おかげで実際に走らせてみると、これが驚くほどに軽快なのだ。
挙動は決して軽々しいものではないが、それでもステアリングを切り込んだ瞬間からレスポンスは鋭く、まさに意のままという感覚。S字の切り返しなどではそれが顕著で、実に小気味良い。W12だって新型は決して鈍重ではないのに、そして軽いと言っても車重は2210kgもあるのに、これだけ楽しめる、そして質高いフットワークを実現していることには、まさに見事と言うほかない。
弾けるように回るV8ユニットも、この軽快感に大いに寄与している。分厚いトルクの波が押し寄せるようなW12とのキャラクターの差は明確で、こちらは野太いエキゾーストノートともども、思わずアクセルを踏ませる味付けだ。
この軽快感は、単に質量だけが理由ではなく、従来よりW12とのキャラクター分けが、明確化されたと見るべきだろう。どちらも良く出来ているだけに、ますますその選択が悩ましいものになった。
参考までに両車の価格差は約180万円。けれども、それはオプション次第で容易にひっくり返る数字である。事実、試乗車は実に約450万円分ものオプションが付いていたのだ。購入検討中の方には大いに悩んでいただきたい。