「R32型スカイラインGT-R」のリヤパネルとハーネス用プロテクターがリリース
日産自動車は、金型を用いずにボディパネルを成形する「対向式ダイレス成形」と製品開発における試作工程の一部で使用している3Dプリンター技術など、日産の新技術を活用した「NISMOヘリテージパーツ」を商品化することを発表した。
対向式ダイレス成形とは、ボディパネルの少量生産に対応する技術として2019年10月に発表されたもの。これは棒状の工具を取りつけたロボットが、パネルを徐々に変形させて成形する「インクリメンタル成形」技術を用い、成形工具を対向側にも配置することで複雑な形状の成形を可能とした工法だ。
日産は同技術を活用し、「R32型スカイラインGT-R」のリヤパネルを商品化。商品化にあたっては、基盤技術である対向式ダイレス成形工法および、鏡面化ダイヤモンドコーティング工具による無潤滑加工をベースに、熟練作業者の板金ノウハウを取り入れながら試作を繰り返した。あわせて、サプライヤーとも連携することで自動車部品に求められる高い品質を実現している。
また、3Dプリンター技術はSOLIZE株式会社と共同開発。今回商品化するのは、R32型スカイラインGT-Rのハーネス用プロテクター(樹脂部品)で、日産はハーネス本体を製造するサプライヤーとも協力の上で3Dプリンターの性質に合わせた部品の再設計・性能試験を実施。高い品質基準が求められる自動車部品の商品化を短期間で実現している。
NISMOヘリテージパーツは日産自動車、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナルおよびオーテックジャパンの3社がサプライヤーと共同で製造廃止となった純正補修部品を再供給するもの。ユーザーが日産のパフォーマンスカーに少しでも長く乗り続けられるように、できる限りサポートする活動の一環として2017年12月より販売を開始。復刻された補修部品は、約3年間で販売開始時の80部品から300部品以上に拡大している。
日産では、今後も総合研究所や生産技術研究開発センターの技術を活用してNISMOヘリテージパーツの供給アイテム拡大に一層貢献していくという。