「毎日1テーマずつ読めば、1か月後に所さんみたいな思考になれる！」
「所ジョージの世田谷ベース」の最新号は記念すべき50号目。雑誌『Daytona』で6年以上連載を続けてきた「トコロ辞典」の膨大なアーカイブを再編集し、一冊にまとめた完全保存版です。ひとつのテーマは約5分で読みきれるので、毎日1テーマずつ読み進んでいけば、おおよそ1か月で完全読破。翌月には、所さんみたいな思考回路に近づいてしまい、楽しくてしょうがない毎日がやってきてしまうというコンセプトで制作、ここではその一部をチラ見してみましょう。
き‐しょう‐てん‐けつ 【起承転結】
漢詩の句の並べ方。起句でうたい起こし，承句でこれを承(ウ)け，転句で趣(オモムキ)を転じ，結句で結ぶという形式。絶句では第一句を起句，第二句を承句，第三句を転句，第四句を結句という。起承転合。文章の構成や物事の順序。大辞林参照
トコロ辞典的「起承転結」の解釈
人任せにして面倒くさいことを省いてしまうと、承と転が抜けて、起と結しかないつまらない人生になってしまう。人生何が起きるか分からないので、綺麗に起承転結となることは希で、起承転承転承転結や、起承転転転転転転転結となってしまう場合が多い。承と転を上手く調整して、無理矢理楽しい結にもっていけるようになるためには、経験値を上げなければならない。
■忘れがちな承と転
「OKグーグル、電気つけて！」とか「ヘイシリ、音楽かけて！」なんてスピーカーに向かって話しかけるCMをよく見かけます。あれは「AIスピーカー」と言って、内蔵された人工知能が話しかけた人の声を認識して、命令どおりに家電を動かしたり、ニュースなどの情報を教えてくれる機械。AIスピーカーは各メーカがこぞって発売していて、大変売れ行きも良いそうです。
しかしたかが電気つけるくらいなんて、話しかけるエネルギーより、自分でスイッチをパチンとするエネルギーのほうが少ない。高齢者や病気の方などにはとても便利だと思いますが、若者がやることじゃありません。お願いするだけで音楽もかけてくれるらしいのですが、「ノリノリの曲かけて！」と命令したものの、全然知らない曲が流れちゃったりなんかして「なるほど、最近はこういうのが流行ってるんだな」と、無理矢理ノッたりしちゃうんでしょ？ 実にカッコ悪い。
小説や映画等のストーリーを作る基本に「起承転結」という考え方がありますよね。人生もあとから振り返れば、大きなストーリーなわけですから、毎日を暮らして行く中で「起承転結」を意識すべきなのです。
しかし、いまの生活は承と転を割愛して「起結」になってしまっていることが多い。「承」「転」で面倒くさいことや壁に当たって落ち込むことが嫌なので、機械に頼ったり、レンタルしたり、人に任せたりして省いてしまう。AIスピーカーで動く照明しか買わないから、部屋がダサい。
好きな曲を探さないから、音楽の本当の楽しさは解らない。新聞も本も読まず、テレビすら見ないでスマホのニュースだけを鵜呑みにするから、知識に幅が出ない。生活のあらゆるストーリーが「起→結」だけだから、「ワクワク感」や「発見」や「余韻」といった、人生に必要な楽しさがない。それは、ドラマで言ったら「水戸黄門」で悪人が登場した瞬間に、ご老公が「葵の御紋」出しちゃうのと同じです。
【写真7枚】一家に一冊!? 思わずうなづく、所さんの「名言」たち。
■起承転承転承転結!?
では、「起承転結」を意識した暮らしとはどのようなモノか？ たとえば、夜中に明日の天気を知りたいなと思ったら、テレビやスマホの予報は見ない。今回は自力で判断すると決める。そして窓を全開にして風を感じ、夜空の様子をじっくり観察する。自分なりの理由をつけて「明日は晴れる！」に決定してみる。
で、翌日の朝起きてみたら……土砂降り。だったとしても、やってみたら結構楽しかった。でも自分の予報が外れたのはくやしい。よし、今日もやってみよう！ 「夜空を見るだけで明日の天気がわかる人」になろう！ と、ひとつの「起承転結」から次のストーリーが生まれて行き、暮らしがどんどん楽しくなっていくのです。
自分で考えたことを実行するときのポイントは、最初から「結」を求めないこと。現実には「起」からすんなり「承転結」に行くことなんて滅多に無いのですから。「起承転承転承転結」や「起承転転転転転転転結」など、さまざまなプロセスを経てそれなりの「結」になる。めげずに繰り返していくと、途中でおおよその「結」が見えるようになり、やがて「承転」を調整して無理矢理楽しい「結」に持っていく、自分なりの技が身につくのです。
映画と違って人生は「結」が決まっていない。そして「起」が無数にやってくるもの。だからこそ「承転」の経験値を上げなくちゃならないのです。
所さん的「情報」の続きは、所ジョージの世田谷ベース vol.50をご覧ください！
所ジョージの世田谷ベース vol.50
定価：1,020円
本誌購入は以下より
https://amzn.to/3b9WGBa
世田谷ベースステッカー付き！
・掲載テーマ
あいそ【愛想】
あつ‐くるし・い【暑苦しい】
いそがし・い 【忙しい】
おとしあな【落とし穴】
おも‐しろ・い【面白い】
おもい‐つ・く【思い付く】
おんきせ‐がまし・い【恩着せがましい】
かた‐づ・ける【片付ける】
かんが・える【考える・勘える】
き‐しょう‐てん‐けつ【起承転結】
クリエーティブ【creative】
クレーム【claim】
けっ‐こん【結婚】
けん‐ぜん【健全】
こ‐せい【個性】
ころばぬさきのつえ【転ばぬ先の杖】
し‐あわせ【幸せ・仕合（わ）せ】
じっ‐しつ【実質】
しっ‐ぱい【失敗】
じょう‐ほう【情報】
そうぞう‐りょく【想像力】
ちゃく‐ち‐ てん【着地点】
て‐ま【手間】
てい‐ へん 【底辺】
てん‐ごく【天国】
ととの・う【整う】
のり‐しろ【糊代】
ヒーロー【hero】
ひにちじょう（せい）【非日常（性）】
ひょう‐げん【表現】
べん‐り【便利】
まと‐はずれ【的外れ】
まん‐ぞく【満足】
め‐くじら【目くじら】
メリット【merit】
やくにたつ【役に立つ】
やり‐なお‐す【やり直す】
よ‐ゆう【余裕】
ルール【rule】
わ・る【割る】
