GRヤリスのラリー2車両が初参戦！ 注目度が高かった全日本ラリー第2戦「新城ラリー2023」リポート

WRCラリージャパンで3位に入った勝田貴元もデモランを披露！

4年ぶりの有観客開催となった全日本ラリー第2戦「新城ラリー2023」が、3月3日から5日にかけて愛知県新城市を中心に開催されました。今回は昨年のWRCラリージャパンでも使用された岡崎市にステージが設定されるなど、この地域でのラリー熱の高まりが感じられました。

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トヨタガズーレーシングは眞貝知志・安藤裕一組のGRヤリスGR4ラリーDATでJN1クラス、勝田範彦・木村祐介組がGRヤリスラリー2でオープンクラスに参戦。

今年からレギュレーションが大きく変わった全日本ラリー。詳しく書こうとすると膨大な文字数になるので、簡単にかいつまんで説明すると、最上位のJN1クラスはFIA公認車両とASN公認車両で争われることに。

全日本ラリーにはダンロップ、ヨコハマ、ミシュランと3つのタイヤメーカーが参戦中。ファビアの福永修・齊田美早子組は唯一のミシュランユーザー。

ようするに、2022年の全日本ラリーJN1クラスを制したシュコダ・ファビアR5などのFIAラリー2車両との性能差を埋めるために、昨年までのJN1クラスを走っていたWRX STIやGRヤリスに軽量化などの大幅な改造を加えた車両と、FIA公認のラリー2車両などで争われることになったのです。

松岡孝典・北田稔組のGRカローラもラリーデビュー。3気筒とは思えない爆音で気にいりました。

FIA公認って点がミソで、実は208ラリー4などのラリー4車両も同じクラスになってしまうわけです。

眞貝知志・安藤裕一組のGRヤリスGR4ラリーDATは、開発中の次世代自動変速機DAT(ダイレクトオートマチック）を搭載。

2Lターボ4駆と1.2Lターボ2駆が同じクラスを走るなんておかしくない？ と思うけど、決まってしまったから仕方ありません。また、JN1クラスの車両は臨時運行許可を得て主催者が用意する仮ナンバーで参戦します。

3日17時30分にまずはオープンクラスから新城文化会館をスタート。

海外ではよくあることで、フィンランドはステッカーみたいな仮ナンバーを貼って参戦。フランスにいたってはナンバーを外して、ゼッケンの数字を表示して参戦します。なぜか海外では大人気の日本の仮ナンバーですが、見た目がダサいのでボクはあまり好きじゃありません。普通のナンバーを付けて公道をぶっ飛ばす姿がカッコいいよなあって昔から思ってます。

JN1クラス優勝は2022年のチャンピオン、ヘイキ・コバライネン 北川紗衣組。

そんなJN1クラスは、周囲の予想通り昨年のチャンピオン、ヘイキ・コバライネン 北川紗衣組のシュコダ・ファビアが快走。同じくファビアの福永修・齊田美早子組が続く形。そして特筆すべきはプジョー208ラリー4で参戦の新井大輝・金岡基成組です。

ハンデをものともせずに善戦した208ラリー4の新井大輝・金岡基成組は殊勲のJN1クラス4位。

どう考えたって大幅なハンデを負ってるはずだけど、昨年のテスト時から「コーナーは速いので雨さえ降らなきゃチャンスはある」と言っていた新井。一時は総合3位を走行するなど、表彰台も期待されたけれど、不運にも最後の最後に雨が降り出して4位でフィニッシュ。

雨を予想した戦略が功を奏した鎌田卓麻・松本優一組のWRX STIが3位に入った。

コバライネン・北川組が優勝、2位に福永・齊田組。WRX STIの鎌田卓麻・松本優一組が雨のステージでコバライネン・北川組を上回る走りを見せ3位に入り、ランキングトップを守りました。

JN1クラス2位は福永修・齊田美早子組は昨年までのファビアR5からファビア・ラリー2エボへ。

一方、今回のラリーで世界中からの注目を浴びたのが勝田範彦・木村祐介組のGRヤリスラリー2。

フィンランドからエンジニアとメカニックが来日。GRヤリスラリー2の実戦デビューをサポートした。

ラリー2規定に沿って開発中で、このラリーが世界初の実戦となりました。レギュレーションの関係で賞典外のオープンクラスでの参戦。様々なトラブルに見舞われるもJN1トップと遜色ないタイムを記録。

昨年までのJN1クラス、ナンバー付きの車両が参戦するJN2クラスの優勝は奴田原文雄・東駿吾組のGRヤリス。

最終的にはクラッシュでリタイアするも、実戦でしか得られないデータはチームにとって貴重な財産です。スタート前には「全然乗れてないよ～」と言っていた勝田選手だけど、ラリーが始まるとそこはベテランの走りでした。

個人所有でヒストリックラリーにもしばしば参戦しているセリカを持ち込んだラトバラは雨が降る中のデモランで大暴れ。ヒットした桜の木「Latvala tree(オレ命名）」を見て笑顔を見せるのは、中根康浩岡崎市長。

勝田範彦の息子でWRCで活躍中の勝田貴元もGRヤリスラリー1でデモランを披露。

様々なイベントも開催される新城ラリーでは、今回ヤリ＝マティ・ラトバラと勝田貴元も来日。ラトバラが自身の持ち物であるST165セリカ、タカがGRヤリスラリー1でデモランを披露。

デモランには大村秀章愛知県知事、下江洋行新城市長、中根康浩岡崎市長が試乗。

ラトバラはホイールを縁石にヒットさせたり、スピンターンの際に木にヒットしたりと大暴れ。詰めかけた大勢のギャラリーを大いに盛り上げました。