独創的なアプローチとタフな精神で世界を驚かせ続ける時代の寵児イーロン・マスク。テスラで自動車業界の風景を変えた彼は、ほかのビジネスにおいて、どのような夢を叶えようとしているのだろうか。
Q:イーロン・マスクは火星に行こうとしている?
A:火星だけでなく、人類が複数の惑星に居住できる未来を目指しています。
イーロン・マスクは、テスラに出資する2年前に「スペースX」を創業し、以来CEOを務めている。2001年頃、国際的なNPO「火星協会」のメンバーに出会ったことがきっかけで、火星に居住空間を作ろうと計画。自ら「火星移住財団」を立ち上げ、ICBM用ロケットの購入のため、ロシアへ出向いた。しかしロシア人との交渉は値段が折り合わずに決裂。自身でロケットを開発しようと思いついた。
2002年、ロサンゼルス郊外の古い倉庫を買い取り、「スペースX」を立ち上げ。当時の同社のミッションは「宇宙分野のサウスウエスト航空になる」というもの。サウスウエスト航空は、アメリカの有名なLCC(格安航空会社)だ。イーロンは、火星移住に関する調査の過程で、この50年間、世界の宇宙産業がまったく進歩していないと感じていた。そこで、「高品質で安価なエンジンを自社で開発し、どこよりも早く安くロケットを製造する」ことを決心。
ちょうど同時期、自らが出資する「ペイパル」の「イーベイ」への売却が決定。スペースXに1億ドル超の出資が可能になった。潤沢な資金を得たスペースXは、ボーイングやロッキード・マーティンから航空宇宙エンジニアをスカウト、ついにマスクの挑戦がスタートした。
火星移住はさておき、当面の目標はロケット打ち上げの成功。会社設立から3年後の2005年11月、マーシャル諸島のクェゼリン環礁で、スペースXの自社開発ロケット「ファルコン1」の最初の打ち上げが行われた。結果は、わずか25秒後に出力消失で失敗。その後も失敗を繰り返し、資金繰りも厳しくなった2008年9月、4度目にしてついにファルコン1の打ち上げに成功、見事ペイロードが予定の軌道に投入された。
この成功を機に、NASAとの大型契約を獲得したスペースXは快進撃を見せる。2010年には、ファルコン1のエンジンを9基備える大型ロケット「ファルコン9」の打ち上げに一発で成功。2012年には、ファルコン9から射出された宇宙船「ドラゴン」が国際宇宙ステーションとのドッキングに成功。民間企業としては世界初の快挙となった。スペースXのチャレンジは世界を驚かせ続ける……続きは、『TESLA FAN BOOK』で!
タイトル:『TESLA FAN BOOK テスラについて知っておきたい100のこと』
定 価:1,650円 (本体:1,500円)
ページ数:148ページ オールカラー
発行年月日:2023年3月29日(水)
Amazon 商品ページ: https://www.amazon.co.jp/dp/4777026825
ネコ・パブリッシング内の紹介ページ: https://www.neko.co.jp/magazine/tesla-fan-book