ランボルギーニ

【海外試乗】 V12エンジン×3モーターを搭載する新時代のスーパーカー!!「ランボルギーニ・レヴエルト」

ランボルギーニ初の量産PHEVモデル「レヴエルト」の試乗会が、イタリア・ヴァレルンガサーキットにて開催された。電動化によってランボルギーニがどのように進化したのか、そのファーストインプレッションをお届けしよう。

ランボルギーニV12の新たな歴史の扉が開かれた

許されたのはヴァレルンガサーキットを計12ラップだけ。待望のランボルギーニ・レヴエルトの初試乗は、たった30分程という短時間の逢瀬だったが、その時間はきわめて濃密なものだった。ランボルギーニのフラッグシップV12の歴史の新しい扉が開かれたということを実感する、至極充実したものになったのである。

ランボルギーニのDNAを踏襲しつつも、全く新しいスタイルを目指したというレヴエルト。今年3月に発表以来、すでに2年以上の生産分の受注を獲得しているという。

CO2排出量低減という社会的要請に応えながら、アイコニックな自然吸気V12を継承するべく採用されたHPEV(ハイパフォーマンスEV)と名付けられたプラグインハイブリッドは、実際にCO2排出量の30%削減を可能にしただけでなく、新たなパフォーマンスの方向性をも切り拓いた。6.5L V 12 ユニットに、フロント左右に1基ずつ、リアに1基の計3基の電気モーターを組み合わせて、最高出力は実に1015psに。しかもフロントモーターによるトルクベクタリングによって運動性能も飛躍的に向上させたのだ。

ミッドシップにはランボルギーニ伝統のV12エンジンを搭載。新開発となる「L545」エンジンは最大出力825ps/9250rpm、最大トルク725Nm/6750rpmを発生するが、エンジン単体重量は僅か218kgで、アヴェンタドール用のV12エンジンより17kg軽い。

カウンタック以来のフォルムを受け継ぎながらも、すべてが新しいエクステリアは、実はアヴェンタドールよりも全長が170mm近くも長い。これは内部レイアウトの刷新によるもので、従来センタートンネル内に前後逆転して搭載されていたギアボックスが、8速DCT化され電気モーターを内蔵した上に、遂にエンジン後方に移された。そして空いた場所には容量3.8kWhのリチウムイオンバッテリーが搭載される。

タイヤサイズは前265/35ZR20、後345/30R21。バッテリー容量は3.8kWhで200Vの普通充電に対応している。

サイズアップは室内スペース拡大も狙いだったという。それはサーキットでも恩恵があり、ヘルメットを被って乗っても窮屈に感じさせることはなかったのだ。

居住性や使い勝手の話はまたの機会に譲るとして、早速走り出す。13通りから選べるドライビングモードは、1015psをフルに発揮する「CORSA+PERFORMANCE」を選択。

トランスミッションがエンジン後方に移動したため、車内空間は広く余裕のあるものに。

思わず狂喜したのがその加速だ。モーターアシストの効果で低速域からピックアップは実に鋭く、そのまま全開にすると9000rpmを超えて回るV12の炸裂感と共に、クルマの質量など無視したかのような凄まじい加速の渦に放り込まれる。パワーウェイトレシオ1.75kg/psの威力をまざまざと実感させられるのだ。

ドライブモードは「チッタ」、「ストラーダ」、「スポーツ」、「コルサ」の4種類から選択でき、PHEVパワートレイン特性の「リチャージ」、「ハイブリッド」、「パフォーマンス」の3種類と合わせて合計13種類の設定から切り替えることができる。

フットワークも素晴らしいのひと言。ターンインの切れ味が鋭く、クリッピングポイントに巻き付くように旋回できる。フロント左右輪間のトルクベクタリングに後輪操舵なども巧みに連携させたシャシー制御の賜物だ。適度にスライドしたリアを、軽くアクセルを入れて前から引っ張り出すようにして立ち上がると、とにかく快感かつ圧倒されるほど速い。まさに異次元の走りだ。

モードをファン・トゥ・ドライブを指向したという「SPORT+HYBRID」に切り替える。最高出力は制限されるが、それでも907psである。

ボディの軽量化のため、カーボンファイバー製のモノコックを採用するほか、各所にカーボンパーツが多用されている。

適度な姿勢変化を許容するシャシーはその分コントロールの余地が広がり、ドリフトに持ち込むのも容易。カウンターを当てながらの豪快な立ち上がりに思わず酔いしれた。全長5mに迫るV12ミッドシップで、この手の内感。従来とはまるで世界が違う。

V12エンジンと3基のモーターを組み合わせたシステム総合出力は最大1015psに達する。0→100km/h加速は2.5秒、最高速度は350km/h以上というパフォーマンスを発揮する。

避けられない電動化を逆手にとって、パフォーマンスも運動性能もかつてない次元に引き上げたレヴエルト。そのコンセプトも、そしてそれを具現化する開発力も、賞賛以外の言葉が出てこない珠玉の1台の登場だ。

【SPECIFICATION】LAMBORGHINI REVUELTO/ランボルギーニ レヴエルト
■車両本体価格=—
■全長/全幅/全高=4947/2033/1160
■ホイールベース=2779mm
■トレッド=前:1720、後:1701mm
■車両重量=1772kg
■エンジン形式/種類=L545/V12DOHC48V+モーター
■内径×工程=95.0×76.4mm
■総排気量=6498cc
■最高出力=825ps(607kW)/9250rpm
■最大トルク=725Nm(73.9kg-m)/6750rpm
■モーター形式/種類=—
■モーター最高出力=前:150ps(110kW)/10000rpm、後:299ps(220kW)/3500rpm
■燃料タンク容量=—
■燃費(WLTC)=—
■トランスミッション形式=8速DCT
■サスペンション形式=前後:Wウイッシュボーン/コイル
■ブレーキ=前後:Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前:265/35ZR20、後:345/30R21
問い合わせ先=ランボルギーニジャパン TEL0800-988-889

リポート=島下泰久 フォト=ランボルギーニジャバン ルボラン2023年12月号より転載
CARSMEET web編集部

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