現行モデル992型は2018年11月にLAのポルシェ・エクスペリエンスセンターで発表されて以来、すでに6年の時が経過。今夏フェイスリフトが噂されているが、ここではドイツ本国での取材で知り得た992-IIの最新情報をリポートしていこう。
エクステリアのハイライトは新しいヘッドライトとグリル
911が今年夏までにフェイスリフトを受けるとされる。ポルシェの開発陣は、2018年に992-Ⅰがリリースされてからの6年間、各国でのレギュレーション、ライバルの動向などを注視しながら研究開発を進めてきた。そして間もなくアップデートされた992-IIが発表される。予想によれば最初に登場するのはカレラクーペとS、そしてやや遅れてカブリオレやタルガなどのボディバリエーションがラインナップされる。
ここでは、最初に登場するベースモデルのカレラクーペを中心に現在までに分かった内容についてリポートしていこう。
まずはエクスリアデザインだが、もっとも目立つのはヘッドライトである。これまで通り4灯式のプロジェクターデイライトを備えているが、タイカンのようにさらにスリム化され、精緻かつ光量が増したものになる。加えて、ここにはウインカーライトが内蔵されている。その証拠は、上の最新スクープ写真の通りで、フロントエアインテーク・グリル内の左右上部にあったウインカーは消滅。そして992-Ⅰで強引にカイエンやマカンと同じデザインを押し込まれたことが不評であったフロントいっぱいに広がったグリル形状は改善され、左右の3本の水平バーは5枚のルーバーに置き代わっている。もちろんそれらは、冷却用エアボリュームの調整と空気抵抗のアジャストが可能な可変フラップ機能が組み込まれている。
いっぽう、リアにも変化が見られる。スクープ写真ではオプションの固定式スポイラーがマウントされているが、リアウインドー下のグリル形状が改められ、その下のボディ幅いっぱいに伸びたリアコンビネーションライトは一層スリムになりモダンな印象を与えている。さらにエキゾーストパイプは中央寄りへと変更されている。
写真の掲載は叶わなかったが、インテリアは今回のフェイスリフトによりアナログメーターが完全に消滅してフルデジタル化。すなわちタイカンや別項で紹介している新型マカンと同じ内容になる。ドライバーの正面には12.6インチのデジタルメータークラスター、そしてダッシュボード中央に加えて助手席前にもインフォテイメントディスプレイがレイアウトされることとなるだろう。
搭載されるエンジンはお馴染みの水平対向6気筒で排気量も変わらないが、48VのMHEVが搭載される。これで、ようやくアイドリングストップ時からのスムーズなオートスタートが実現される。
もちろんターボ、そしてハイブリッド化されるターボSなどのバリエーションも数年後には控えており、ネバ—エンディング“911”ストーリーはまだまだ続編へと繋がって行くのである。