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【プロトタイプ試乗】ドライビングダイナミクス、安全性能が大幅に向上。全方位の正常進化に向けて最終調整へ「BMW X3 プロトタイプ」

2003年の初代デビュー以来、プレミアムミドルサイズSUVを代表するモデルとして存在感を示し続けてきたBMW X3が、間もなく4代目へとフルモデルチェンジを果たす。これまでの約20年間に世界で350万台以上を販売してきたヒット作は、BMWが電動化を強力に推し進める中で、果たしてどのように進化するのか、とても気になるところだ。
今回は発表に先駆けて、フランス南部のブーシュ・ドゥ・ローヌ県にあるBMWのテストセンターであるアウトドローム・デ・ミラマで、開発最終段階にあるX3プロトタイプの走りを体験することができた。

4代目X3は、既存のCLARをキャリーオーバーした正常進化版。直4ガソリン/ディーゼルとPHEVのほかMパフォーマンスモデルが用意される。Cd値は0.27へ向上した。

X3は、BMWの中でも重要なモデルのひとつである。2023年にはモデル末期であるにも関わらず、3シリーズを上回ってBMWブランドの中では最大の販売数を記録している。
「G45」というコードネームを持つ4代目X3は、より広々としたスペースとさらなるドライビングダイナミクス、一層の快適性向上を目指して開発された。プラットフォームは従来のCLARをキャリーオーバーしつつ、ADASを進化させ、デジタル化もさらに推進させた。詳細なスペックは教えてもらえなかったものの、ホイールベースも3代目と共通だという。つまり、3月にお披露目されたビジョン・ノイエクラッセXの量産バージョンではなく、既存のICEモデルの正常進化版と言える。BEVモデルは専用ボディで2025年に登場予定である。

ADASの進化も新型X3のハイライトのひとつ。新型もレベル2ではあるが、緊急停止ブレーキはユーロNCAPで求められる60km/hを超える80km/hからの停止を実現している。

今回はPHEVとMパフォーマンスモデルでオンロードを試乗。直4ターボを積むPHEVは、アダプティブシャシーを装着しており、コンフォートモードではとても滑らかで上質な乗り心地を、ダイナミックモードではピッチングやローリングが最小限に抑えられ、SUVらしからぬスポーティな走りを披露。しかも快適性も十分に担保されている。
Mパフォーマンスモデルは直6ターボを搭載し、Mスポーツシャシーが標準で備わる。サスペンションジオメトリーは専用。スタビライザーのコネクティング位置も他のモデルと異なり、リアLSDも装備する。

右左折時に左右と対向車線から来るバイクを検知し、衝突の危険性を察知すると警告を発したうえで停止する。車両には40個のカメラやセンサーを搭載し、360度ビューも装備。

その走りは素晴らしくダイナミックだ。前後異サイズの21インチタイヤは、グリップ性能は十二分で、シャシー&ボディの剛性感はとても高く、ハンドリングは非常に俊敏で正確。これでMパフォーマンスモデルなのだから、Mハイパフォーマンスモデルの走りへの期待にも胸が膨らむ。

フォト=BMW AG ルボラン2024年7月号より転載
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竹花寿実

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