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【速報】ついにベールを脱いだ第3世代「日産リーフ」! ハッチバックを捨て、航続600km超のクロスオーバーEVへ大変貌

新型日産リーフ登場! EVの草分けが示す次の一手とは【第1回】

2025年6月17日の日本時間21時、日産自動車は第3世代となる新型「日産リーフ」をグローバルで発表した。2010年に量産型電気自動車(EV)の市場を切り拓いた初代モデルの登場から15年。ハッチバックからクロスオーバースタイルへと大きく姿を変えた新型リーフは、EV市場が新たな競争局面に入る中で、日産がどのような戦略を描いているかを示す重要なモデルとなる。公表された航続距離はWLTCモードで600km以上。デザイン、技術、そしてEVを取り巻く利用環境まで、この新モデルのトピックは多岐にわたる。ル・ボランWebではこれから4回にわたり、新型リーフの詳細を解説する。まずは開発の背景と目指したところを探ってみよう。

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初代から15年、280億kmという実績

新型リーフの背景には、EVのパイオニアとしての歴史がある。初代の発売以来、グローバルでの累計販売台数は約70万台、日産によれば、それらの車両による累計走行距離は約280億kmに達するという。この数字は、単なる記録である以上に、多様な環境下におけるユーザーのEV利用実態を示すデータとして蓄積されている。

日産は、この長年にわたる市場データから得られた知見が、新型リーフ開発の基盤にあると強調する。バッテリーの耐久性や実用電費、充電パターンといった、カタログスペックだけでは測れないリアルワールドでの課題を分析し、今回のモデルに反映させたとのことだ。

開発コンセプトは「PROVOCATIVE RESPONSE-ABILITY」

3代目リーフの開発にあたり掲げられたコンセプトは「PROVOCATIVE RESPONSE-ABILITY(プロボカティブ・レスポンスアビリティ)」という造語だ。「新しい価値、時代に応える力へ挑戦するクルマ」を意味し、EVにまつわる既存の懸念点を払拭し、内燃機関車(ICE)からの乗り換えを促進するモデルを目指すという意志が込められている。

そのために、日産では3つの開発目標を掲げた:
・スリークで大胆なスタイルながら考え抜かれた室内空間
・レスポンスに優れたスムーズな走行性能とベストレベルの航続距離
・EVがより快適になり、ライフスタイルを豊かにする先進技術

デザイン性と実用性、走行性能と航続距離といった、時にトレードオフの関係になりがちな要素をいかに両立させるか。そのアプローチに、新型リーフの特徴が見て取れる。

ハッチバックからクロスオーバーへの転換

外観上の最も大きな変更点は、従来のハッチバックから、ファストバック形状を持つクロスオーバースタイルへと移行したことだ。これにより、市場でのポジショニングも大きく変わることになる。

デザインの指針となっているのは、プレミアムクロスオーバーEV「アリア」から採用された「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」というデザイン言語だ。日本の美意識をモダンな表現に昇華させるというこの思想を、新型リーフではさらに発展させたとしている。アリアと軽EV「サクラ」の中間に位置づけられるこのモデルは、より幅広い層をターゲットとするため、先進性と普遍性のバランスを追求したデザインが与えられた。


また、この流麗なフォルムは、空力性能の追求という機能的な側面も大きい。空気抵抗係数(Cd値)は0.26(欧州仕様の一部では0.25)と公表されており、この数値が航続距離の伸長に寄与する重要な要素となっている。

最短35分で10%から80%まで充電可能

デザインの変更と同時に、公表されたスペックも注目すべきものだ。特に航続距離と充電性能は、EVを選択する際の重要な判断基準となる。

・航続距離:75.1kWhのバッテリーを搭載するモデルで、日本のWLTCモードで600km以上、米国のEPA基準で最大303マイル(約488km)を達成する見込み(日産社内測定値)。

・充電性能:最大150kWの急速充電に対応。10%から80%までの充電時間は最短35分とされている。

・パワートレイン:モーター、インバーター、減速機を一体化した新開発の「3-in-1パワートレイン」を日産として初採用。小型化と高性能化の両立を図った。

・先進技術:ナビ情報と連携してバッテリー温度を管理する「ナビリンクバッテリーコンディショニング」や、日産初の「調光パノラミックガラスルーフ」、車載OSとして「Googleビルトイン」を採用するなど、新たな機能が多数盛り込まれている。

市場への投入計画

新型リーフは、2025年秋の北米市場を皮切りに、順次グローバルで展開される。日本市場向けの正式発表は年内を予定しているという。EV市場の競争が激化する中、そのパイオニアである日産が投入するこの新型車が、市場にどのような影響を与えるか、今後の動向が注目される。

次回、第2回では「エクステリアデザイン」に焦点を当てる。Cd値0.26を達成した空力設計の思想や、フラッシュドアハンドル、日本刀をモチーフにしたというディテールなど、その造形に込められた機能と意図を分析する。

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LE VOLANT web編集部

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