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【世界に1台】コカ・コーラの巨匠が愛した幻のクーペ、「ランチア・フラミニア・ロレイモ」が再び脚光を浴びる

世界に1台の幻のコンセプトカー

ステランティス・ヘリテージが収蔵する、世界に1台しか存在しない幻のコンセプトカー「ランチア・フラミニア・ロレイモ」(1960年式)が、2025年9月28日にイタリアのレヴィリアスコ・トリネーゼで開催される第4回「フェスティバル・カー・コンクール・デレガンス」の主役として登場した。インダストリアルデザインの巨匠、レイモンド・ローウィが自らのためにデザインしたこの未来的なクーペは、イベントの公式ポスターにも採用され、その歴史的な価値と美しさに再びスポットが当てられることとなった。

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美の祭典「フェスティバル・カー・コンクール・デレガンス」

2022年に始まり、年々その規模を拡大してきた「フェスティバル・カー・コンクール・デレガンス」は、2025年版よりFIVA(国際クラシックカー連盟)のプレミア・イベントカレンダーに正式登録され、国際的な格式を持つイベントへと昇格した。

この栄誉ある舞台の中心に立ったのが「ランチア・フラミニア・ロレイモ」だ。イベント当日は、ユネスコ世界遺産であるモンカリエーリ城からスタートする80台のクラシックカーによる壮大なパレード「ツール・デレガンス」が開催され、トリノの丘陵地帯の美しい景色の中を走り抜けた。審査員には、ステランティス・ヘリテージの責任者であるロベルト・ジョリート氏をはじめ、国際的なカーデザインの重鎮たちが名を連ねていた。

時代を先取りしたデザインの巨匠レイモンド・ローウィの創造物

ランチア・フラミニア・ロレイモは、20世紀で最も影響力のあるデザイナーの1人、レイモンド・ローウィの創造力から生まれた。彼は、今なお愛されるコカ・コーラのボトルやラッキーストライクのパッケージロゴなどを手掛けたことで広く知られている。

ローウィはこの車を自身のパーソナルカーとして構想。その製造はトリノのカロッツェリア「ロッコ・モット」が、技術的な改良は「ナルディ」が担当した。その結果、革新的な空力ソリューションと、”微笑んでいる”かのような独特のグリルを持つ、未来的なクーペが誕生したのである。1960年のパリモーターショーで発表されると、その前衛的なデザインはたちまち注目を集めた。

ローウィがヨーロッパとアメリカで愛用した後、この特別な1台はランチア・クラブ・オブ・アメリカ会長の手によってブランドの元へと返還された。以来、トリノのミラフィオーリ工場跡地に位置する展示施設「ヘリテージ・ハブ」にて、最も貴重な至宝のひとつとして大切に保管されている。ここには300台以上の歴史的な車両が収蔵されており、ロレイモは「コンセプト&フオリセリエ」セクションのハイライトとなっている。

今回のイベント参加は、ロレイモが単に展示されるだけでなく、その歴史的価値を動的な形で伝える貴重な機会となる。公式ポスターやソーシャルメディアで公開されたティザームービーでも主役を務め、オフィチーネ・クラシケでの整備を終えたロレイモがヘリテージ・ハブからイベント会場へ向かう姿が描かれている。

ステランティス・ヘリテージの参加は、ランチアブランドと、その歴史的な故郷であるピエモンテ州との深い絆を改めて示すものだ。イベントには20台以上のランチア車が展示され、イタリア自動車史におけるトリノの中心的役割と、伝統、革新、そして情熱が融合する姿を祝福した。自動車がスタイルと未来へのビジョンの象徴であった時代の魔法を呼び覚ますこの祭典で、ランチア・フラミニア・ロレイモは、その不朽の輝きを放っていた。

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※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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