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ロータス・エメヤ、猛暑のクウェートで443kWを記録。過酷な環境で証明された「真価」

10%→80%充電はわずか13分台を実現

ロータスは2025年11月18日、同社の完全電動ハイパーGT「エメヤ(Emeya)」が、公共充電ネットワークにおいて自身の記録を更新する急速充電性能を発揮したと発表した。クウェートで行われた独立テストにおいて、エメヤはピーク充電出力443kWを記録。猛暑という過酷な環境下でありながら、バッテリー残量10%から80%までをわずか13分35秒で回復させる驚異的な充電速度を実証し、その耐久性と信頼性を世界に示したのである。

【画像15枚】443kWの超急速充電シーンも。猛暑のクウェートで実証された「エメヤ」のテスト風景を見る

猛暑のクウェートで実証された極限性能

今回の記録達成は、クウェートのロータス正規ディーラーであるLotus Al Ghanim(ロータス・アルガニム)によって独立して実施されたものである。使用されたのはロータスの超高速450kW DC充電器であり、エメヤはこの充電器の能力をほぼ最大限まで引き出し、ピーク出力443kWに到達した。特筆すべきは、このテストが同地域の猛暑の中で行われた点である。通常、高温環境はEVの充電性能に悪影響を及ぼすが、今回の成功は車両と充電器双方の優れた熱管理性能、耐久性、そして効率性を裏付ける結果となった。

記録を支える先進のバッテリー・テクノロジー

この卓越した充電性能を支えるのは、エメヤに採用された先進的なバッテリー技術である。セル・トゥ・パック(Cell-to-Pack)構造の採用により、標準的なモジュール構造と比較して同一スペースに20%多くのセルを搭載することを可能にした。加えて、新しい冷却システムアーキテクチャがバッテリーの熱性能と効率を向上させている。また、最先端の800V充電システムを搭載しており、どのような充電器を使用しても急速充電と高い効率を提供するよう設計されている。なお、この技術は同社のハイパーSUV「エレトレ」にも同様に採用されているものである。

2026年モデルは航続距離610km

効率性と航続距離に関しても、エメヤは高い数値をマークしている。WLTCモードでのエネルギー消費率は18.7kWh/100kmまで低減されており、わずか10分間の充電で最大310kmの走行が可能である。さらに、2026年モデルのエメヤにおいては、WLTPモードで最大610kmの航続距離を実現している。ロータスは、ドライバーが長距離移動を安心して行えるよう、EV所有のハードルを下げることを目指している。

統合された充電エコシステム

ロータスは車両性能だけでなく、充電エコシステムの構築にも注力している。Lotus Carsアプリと、数々の賞を受賞した車載インフォテインメントシステム「Lotus HyperOS」を通じて、シームレスな充電体験を提供する。システムはインテリジェントなEVルーティング機能を用いて近隣の公共充電器を検索し、リアルタイムのバッテリー消費量に基づいた代替ルートを提案する。これにより、ドライバーの航続距離に対する不安(レンジ不安)を軽減し、移動時間を大幅に短縮することが可能だ。また、インフラ面ではドイツを皮切りに、欧州市場にて超高速450kW DC充電器の展開を開始している。

エメヤはロータス初の電動ハイパーGTであり、同社が75年にわたり培ってきたエンジニアリングとデザインの専門知識に最新の革新技術を融合させたモデルである。今回の記録更新は、ロータスが目指す「自動車がいかに見え、いかに機能し、いかに感じられるべきか」という妥協なきビジョンを体現したものと言えるだろう。

【ル・ボラン編集部より】

コーリン・チャップマンが説いた「軽さ」の哲学とは対極にあるようにも見える現代のロータスBEV。だが、443kWという驚異的な充電速度と、酷暑をものともしない熱マネジメントには、形を変えてなお息づくエンジニアリングへの執念を感じずにはいられない。単なるスペック競争ではなく、グランドツアラーとしての「移動の質」と「信頼性」を極限環境で証明した点は、新世代ロータスの自信の表れだ。電動化時代においても、妥協なき彼らの流儀は確かに貫かれている。

【画像15枚】443kWの超急速充電シーンも。猛暑のクウェートで実証された「エメヤ」のテスト風景を見る

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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