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中村史郎監修×山内一典推薦。「クルマ好きのためのジェイソン・ボーン」と話題の小説『ザ・プロトタイプ』発売

元有名カー雑誌編集者が描くリアルな自動車描写と陰謀

全米で絶賛されたカーサスペンス小説『ザ・プロトタイプ』が2025年12月26日、カルチュア・エンタテインメント株式会社ネコパブ事業部から発売された。著者は、著名な自動車雑誌『Road & Track』の国際編集者として長年活躍したサム三谷氏だ。本作はアメリカの「次世代インディーブック賞」スリラー部門での金賞受賞に加え、「2025年レーサークリエイターアワード」も獲得した実績を持つ。日本語版では、伝説的カーデザイナーの中村史郎氏が翻訳監修を務め、「グランツーリスモ」の山内一典氏が推薦するなど、日本の自動車業界における重鎮たちが結集した注目作である。

「ワイルド・スピード」と「ジョン・ウィック」が融合したかのような興奮

この小説の特徴は、すでに発売された英語版に対し、現地の読者から極めて熱量の高い支持が寄せられている点だ。Amazon.comや書評サイトに寄せられた感想を紐解くと、多くの読者が本作を「自動車好きのための『ジェイソン・ボーン』や『007』」と評していることがわかる。ページをめくる手が止まらず、その読書体験はまさに「『ワイルド・スピード』の疾走感と『ジョン・ウィック』のアクションを足したような楽しさ」と表現されている。

物語の主人公は、野心的な自動車ジャーナリストであり、同時にゲーマーでもある25歳の青年ストックトン・クレイだ。彼は極秘プロトタイプ・スーパーカーのワールドプレミアへの招待をきっかけに、世界的な陰謀へと巻き込まれていく。読者からは、この「ゲーマーで自動車オタクのジャーナリスト」という現代的でユニークな設定が、親しみやすいキャラクターとして高く評価されている。

舞台はアメリカ、ヨーロッパ、そして日本へと目まぐるしく展開し、CIAや狂気じみたロシア人科学者との戦いの中で、クレイは自らの出生の秘密と向き合うことになる。エンターテインメントに振り切った「極上のポップコーン・ノベル」として、細かい理屈抜きに楽しめる点が多くのファンを惹きつけているようだ。

元カーメディア編集者の知見と格闘技経験が生む圧倒的なリアリティ

エンターテインメント性が高い一方で、本作の描写には説得力のあるリアリティが宿っている。それは著者であるサム三谷氏の異色の経歴によるところが大きい。彼は20年以上にわたり自動車ジャーナリストとして現場の最前線に立ち続けてきた人物であり、同時に柔道6段の腕前を持つ武道家でもある。米国での書評でも、スーパーカーの挙動やメカニズム、銃器の扱い、そして舞台となる南仏や日本の情景描写が非常に詳細であると絶賛されている。著者の実体験に基づいたドライビングテクニックや格闘シーンの描写は、単なる空想の産物ではなく、確かな知識と身体感覚に裏打ちされたものだ。だからこそ、荒唐無稽とも言えるスリリングな展開の中にも、読者を納得させるだけの重みが存在するのである。

小説『ザ・プロトタイプ』の著者、サム三谷(Sam Mitani)氏。

日本自動車界のレジェンドたちが認めたクオリティ

日本語版の刊行にあたっては、日本のクルマ好きにとって見逃せない強力な布陣が敷かれた。翻訳監修を担当したのは、元日産自動車専務執行役員チーフクリエイティブオフィサーであり、現在は(株)SN DESIGN PLATFORM代表の中村史郎氏である。世界的なカーデザイナーが監修することで、作中の専門的な自動車用語や描写の正確性が担保されている。さらに、「グランツーリスモ」シリーズのプロデューサーである山内一典氏も、「アクション満載で、スリルが尽きない小説。著者の深い自動車知識を活かした素晴らしい物語」と推薦の辞を寄せている。

『ザ・プロトタイプ』は全3部作の第1作目であり、続く「RED MIST」、「KEY TO THE EMPIRE」へと連なる壮大なサーガの幕開けとなる。サイズは持ち運びやすいA5変形版で416ページ、定価は1,800円(税込)だ。年末年始の休暇、コタツに入りながらスリル満点のカーアクション世界に没入するには、これ以上ない一冊となるだろう。

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LE VOLANT web編集部

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