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北欧神話の“思考”を宿すEV。新型ボルボEX60とGeminiが示す、「物理ボタンレス」の真の回答

「対話」が変える移動体験。ワールドプレミア直前、北欧の次世代SDVがその全貌を現す

ボルボ・カーズは2026年1月15日、新型電動SUV「ボルボ EX60」の技術詳細を発表した。来たる1月21日のワールドプレミアを目前に控え、その革新的な中身がついに明らかになった。EX60は、GoogleのAIアシスタント「Gemini」を搭載した同社初のモデルであり、最大810kmという圧倒的な航続距離を誇る。ボルボが「史上最もインテリジェント」と謳うこの次世代EVは、単なる移動手段を超えた存在になりそうだ。

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もはや「コマンド」は不要。Google Geminiとの雑談が、コンシェルジュを超えるサポートになる

今回の発表で最大のトピックは、Googleの新しいAIアシスタント「Gemini」の採用だ。従来の音声認識システムとは一線を画し、ドライバーは特定のコマンドを記憶する必要がない。まるで友人と話すような自然な会話で、車両とコミュニケーションを取ることが可能となった。

たとえば、メールで届いたホテルの予約確認から住所を特定してナビにセットしてもらうことも、最近購入した荷物がEX60のトランクに収まるサイズかを確認することも、あるいは次の旅行のアイデアを相談することもできる。

これらはすべてハンズフリーで行えるため、ドライバーはセンターディスプレイを注視する頻度が減り、より運転に集中できる環境が整う。これはボルボとGoogleによる約10年にわたる協業の成果であり、将来的には車載カメラを通じてドライバーが見ているものをAIが理解し、周囲の状況に関する質問に答える機能も実装される予定だという。

思考するカラス「フギン」の頭脳。NVIDIAQualcommが支える、毎秒250兆回の演算処理能力

EX60の知能を支えるのは、ボルボが新たに命名したコアシステム「Hugin Core(フギン・コア)」である。北欧神話に登場する、オーディンの眷属であり思考を司るワタリガラスにちなんで名付けられたこのシステムは、ボルボ独自のソフトウェアと、NVIDIAやQualcommといったテクノロジーリーダー企業の最新ハードウェアを統合したものだ。

心臓部にはNVIDIA DRIVE AGX Orinシステム・オン・チップが採用され、毎秒250兆回以上という驚異的な演算処理能力を実現している。これにより、インフォテインメントシステムの画面は遅延なく瞬時に反応し、地図の読み込みもスムーズに行われる。また、Qualcommの次世代Snapdragon Cockpit Platformが、これまでのボルボ車で最高レベルの処理能力を提供し、さらにSnapdragon Auto Connectivity Platformによって、オーナーは4年間無償の無制限データ通信を利用できる。

航続距離810kmの「足」と、進化し続ける「知」。真のSDVとして熟成されるEX60の将来性

EVとしての基本性能も飛躍的に向上している。AWD仕様における航続距離は、WLTP基準で最大810kmに達し、最新の競合モデルを凌駕するスペックを実現した。充電性能も高く、400kWの急速充電器を使用すれば、わずか10分で最大340km分の走行が可能になるという。

安全性においては、高度なセンサーが車両周辺の状況を常に分析し、リスクをいち早く察知してドライバーをサポートする。特筆すべきは、EX60が「走るほどに学習する車」である点だ。世界中のボルボ車から得られるデータを基に継続的に進化し、無線アップデート(OTA)を通じて、納車後も機能が向上していく。これを支えるのが「ボルボ・カーズ・スーパーセット・テックスタック」と呼ばれるソフトウェア基盤であり、EX60は真の意味でのソフトウェア定義車両(SDV)として誕生する。

そしていよいよ1月21日、すべての全貌が明らかになる。

【ル・ボラン編集部より】

ブランドの屋台骨であるXC60の実質的後継、EX60が示すのは「内燃機関の完全なる代替」だ。810kmという航続距離は、もはやEVの足かせを過去のものにしたと言える。だが真価は、その「知能」にある。EX30で賛否を呼んだ物理ボタンレスのミニマルな空間も、Geminiとの自然な対話が成立するなら、その「引き算の美学」は不便さから洗練へと昇華される。思考を司るカラス「フギン」の名を冠したのも伊達ではない。アナログな操作感を愛する向きには一抹の寂しさもあるかもしれない。だが、移動時間を知的生産の場と捉える現代のビジネスパーソンにとっては、これ以上ない相棒となるはずだ。

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※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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