欧州では圧倒的なシェアを誇るコンチネンタルタイヤ
「レースに参戦していないタイヤは信用できない」。それが僕の持論だった。
サーキットレースは、一般に「走る実験室」と呼ばれている。レースを通じてグリップを高め、耐久性に磨きをかけ、あるいは操縦性を整えていく。それらはすべて、タイヤにとって欠かすことのできない要件であり、その成果が市販タイヤの開発へと注がれていく。とりわけ、世界一過激なコースとして名高いニュルブルクリンクは、タイヤ開発において理想的な舞台である。
【画像13枚】モータースポーツに積極的に参戦していないコンチネンタルタイヤがなぜ支持されるのか?
路面はアスファルトだけではなく、サーキット専用の舗装もあれば石畳もある。コースサイドの縁石は、まるで尖った岩石のように、容赦なくタイヤを傷めつける。世界中のタイヤメーカーがニュルブルクリンクに集い、競うように開発を進めているのは、レース参戦こそがタイヤ開発の歩みと精度を、最も正直に測ってくれるからだ。
さらにいえば、ニュルブルクリンクには「一日に四季がある」とも囁かれている。乾いた路面が、突然の降雨で一変してウェットになる。春うららかな一日だと思っていたら、いきなり雪に見舞われることすらある。世界中にタイヤを供給するメーカーにとって、あらゆる環境を短時間で体験できるこの地は、まさに理想的なテストフィールドなのである。
そう考えると、ドイツ唯一のタイヤメーカーである「コンチネンタル」の立ち位置は、どこか不思議に映る。ここからが、今回の話の骨子だ。コンチネンタルは世界第4位のタイヤメーカーであり、欧州では3台に1台がコンチネンタルを履いていると言われるほど、圧倒的なシェアを誇っている。にもかかわらず、目立ったレース活動は見当たらない。
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