コラム

「本当はコペンのチーフエンジニアがやりたい」――トヨタ・佐藤恒治氏の素顔【渡辺慎太郎のツベコベイワセテ その4】《LE VOLANT LAB》

日産車の試乗会で耳にした、トヨタのトップ人事と胸の“ザワザワ”

去る2月6日、トヨタ自動車は4月1日付の役員人事と第122回定時株主総会日付の取締役の体制について、代表取締役社長の佐藤恒治氏が副会長および新設するチーフ・インダストリー・オフィサー(CIO)に、執行役員の近 健太氏が社長兼チーフ・エグゼクティブ・オフィサー(CEO)に就任することを発表した。

その時、自分は日産リーフの試乗会に行っていて、試乗から戻ってきたらそのニュースを聞かされた。奇しくも日産の人にトヨタの役員人事について教えてもらうことになったのだけれど、「へーそうなんだ」とその場では答えたものの、心中はちょっとザワザワしていた。

トヨタ自動車は2026年2月6日、4月1日付で佐藤恒治 社長が副会長および新設するChief Industry Officerに就任することを、トヨタイムズニュース生放送で発表した。

トヨタ自動車の社長交代なんて、それで明日からの自分の生活に直接的な影響があるわけもなく、とてもとても遠いところの出来事なのだけれど、実は佐藤さんとは以前から親しくさせていただいていたので、まるっきり他人事でもなかった。

レクサスLC開発取材で「お恥ずかしい実状」をさらけ出したリーダーの覚悟

レクサスLCの発表にあわせて、開発ストーリーブックを作ったことがあった。発表日から遡ること約2年前から開発チームに密着し、日本初の本格ラグジュアリークーペが誕生するまでを取材して1冊にまとめたもので、佐藤さんとはその時に知り合った。レクサスLCのチーフエンジニアだったからだ。

通常、こういう取材はOKが出ることがめったにない。それはそうだろう。新型車の開発過程は、社内でもその情報にアクセスする人間が限られるほどの秘匿領域であり、それを外部のメディアに見せて撮影まで許すなんてことはあり得ないのである。でも、佐藤さんはこちらの要望を快諾してくださったのであった。

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フォト=トヨタ自動車、ル・ボラン編集部

AUTHOR

1966年東京生まれ。米国の大学を卒業後(株)立風書房に入社、ル・ボラン編集部に配属となる。後に転職してカーグラフィック編集記者、カーグラフィック編集長などを歴任。現在はフリーランスの自動車ジャーナリストとして活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。英国「The Guild of Motoring Writers」会員。

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