国際女性デーに考える、家族を守るための「私らしい」運転の形
さる2026年3月8日(日)、トヨタ・コニック・プロ主催による、女性のカーライフを支援するイベント「女性のための安全運転教室」が、トヨタモビリティ東京Ariake Miraieにて開催された。このイベントは、日常的に家族の送迎や買い物でハンドルを握る女性たちを対象に、自分や家族の命を守るための知識を再確認することを目的としたもの。
会場では、カーライフ・エッセイストの吉田由美さん、カーライフ・ジャーナリストのまるも亜希子さんによる、プロの視点から語られる運転の基本や、心身を整えるためのユニークなメソッドなど、安心で豊かなカーライフを実現するためのヒントが共有された。ここでは、その凝縮された一日を振り返る。
プロジェクト始動に込められた情熱と期待
イベントの冒頭では、トヨタ・コニック・プロの執行役員を務める金田育子氏が登壇し、プロジェクトの意義を力強く語った。金田氏は、女性ならではの繊細な感性や視点を安全運転に活かすことで、日常の移動がより輝かしく、価値のあるものへと変化していくことへの期待を表明。交通社会をより優しく安全な場所に変えていきたいという同社の真摯な想いが、今回のイベント開催につながったようだ。
女性の日常に寄り添う交通安全啓蒙活動「OKISHU(オキシュー)」プロジェクトとは!?
「OKISHU(オキシュー)」とは、まさにその名の通り、クルマの中に「置き」っぱなしにしておく、置き傘ならぬ「置きシューズ」のこと。運転に適さない靴での事故を防ぎたいという願いが込められている。このプロジェクトの背景には、2019年に発生した悲しい事故がある。高齢者の事故に注目が集まりがちだが、実は29歳以下の若い世代や30代、40代の母親世代による事故も多く、操作ミスが原因となるケースも少なくない。そこで、通常はファッションを楽しみつつも、車内では運転しやすい靴に履き替える文化を広めるべく、提案しているのが「OKISHU」である。両氏がジャーナリストとしての知見を活かし、ひとりの女性ドライバーとして何か社会に役立つことができないか、というのがプロジェクトのきっかけだったという。
正しいドライビングポジションが安全の第一歩
さて、イベントのメイン講師を務めたのは、カーライフ・エッセイストの吉田由美氏と、カーライフ・ジャーナリストのまるも亜希子氏である。両氏は、運転の基本中の基本として、正しい座り方の重要性を説いた。まず、シートに深く座り、お尻とシートの間に隙間を作らないことが重要である。これにより、急ブレーキを踏む際にもしっかりと力を伝えることができる。
また、シートの前後位置は、ブレーキを強く踏み込んだ時に膝が伸び切らず、少し余裕がある状態に調整するのが理想だ。ハンドルの高さや背もたれの角度も、腕をクロスさせた時に肩がシートから離れない程度に合わせる必要がある。このように身体がシートに密着した「正しいフォーム」を身につけることが、瞬発力のある操作につながり、事故を未然に防ぐ鍵となる。
メンテナンスと装備で守る家族の安全
車両の管理についても重要なアドバイスがあった。まるも氏は、タイヤの状態を女性の「お肌」に例えて説明した。タイヤの空気圧は「ハリ」、溝の状態は「シワ」であり、これらが不足するとタイヤ本来の性能が発揮できない。特に空気圧は1ヶ月で約5%自然に低下するため、定期的なチェックが欠かせない。
さらに、チャイルドシートの使用についても厳しい注意喚起がなされた。最新の安全基準に基づいた製品を選ぶことはもちろん、身長が150cmに達するまではジュニアシートを使用し、首にベルトがかからないよう配慮すべきである。また、後部座席での安全を確保するため、1歳半までは後ろ向きに装着することが推奨された。これは子供の頭が重く、首の骨が未発達なため、背面全体で衝撃を受け止める必要があるからである。
五感を整え、眠気やストレスを解消する工夫
運転中のコンディション管理についても、多角的な知見が共有された。眠気対策として紹介されたのは、耳たぶのマッサージや、頭皮を刺激する「頭皮マッサージ」である。実際に会場では、有名女優も愛用しているという頭皮ケアグッズが配られ、参加者がリフレッシュを体験する場面もあった。
また、アロマや音楽を使い分けることで、集中力を高めたりイライラを抑えたりすることも有効だ。例えば、慌ただしい時は落ち着きを与えるローズマリー、落ち込んでいる時は元気を出すレモンなど、天然のアロマを活用することが勧められた。音楽についても、ハードロックは攻撃性を高め、クラシックは眠気を誘う可能性があるため、気分に合わせた最適な選択が安全運転をサポートする。
視界を確保し、周囲に存在を知らせるファッション
最後に、運転時の服装や装備についても触れられた。サングラスは、レンズの色によって得意なシーンが異なる。ブラウン系は曇天時の視界をクリアにし、イエロー系は雨の日や夕方の視界を明るくする。また、対向車や歩行者から見えやすくするために、白や黄色といった膨張色の服を選ぶことも、自分の存在をアピールする立派な安全対策となる。
このように、今回のイベントでは単なる運転技術にとどまらず、靴、姿勢、メンテナンス、心理状態に至るまで、女性が日常の中で実践できる具体的な安全策が示された。「OKISHU」プロジェクトは、これからも女性ドライバー一人ひとりの安心を、足元から支えていく。
【ル・ボラン編集部より】
今回のセミナーを体験し、安全運転をサポートするのに、音楽やアロマ、サングラスの色など、選ぶものによってさまざまな影響があることを勉強しました。女性ならではの視点も興味深く、私も「オキシュー」するようになりました(笑)(編集部:京谷)


