V12ハイブリッド搭載、世界限定15台の希少なフューオフモデルがベールを脱ぐ
ランボルギーニはイモラ・サーキットで開催されたブランドイベントにおいて、新型フューオフモデル「フェノメノ・ロードスター」を世界初公開した。最高出力1080psを誇るV12プラグインハイブリッドを搭載し、価格は約9億2000万円。世界限定15台のみが生産されるこの芸術的なオープントップモデルは、なぜ一切のルーフを持たないのか。究極の洗練と圧倒的なパフォーマンスを両立させた新型車の全貌をモータージャーナリスト・大谷達也氏がレポートする。
【画像39枚】ルーフを捨てた究極の造形美。9億円超のランボルギーニ「フェノメノ・ロードスター」のディテールをチェックする
舞台はイモラ・サーキット。ランボルギーニの純粋な価値を体現
2026年5月9日(現地時間)、ランボルギーニ・アリーナを開催中のイモラ・サーキットにおいて、新しいフューオフモデル「フェノメノ・ロードスター」が公開された。
ランボルギーニ・アリーナはランボルギーニのブランドイベントで、同社のモータースポーツ活動、歴代ロードカー、ライフスタイル、ヘリテージなどが一堂に会して紹介される。今回は2024年に続く2度目の開催となった。
「この特別なロードスターは、私たちのブランドバリューをもっともピュアな形で体現しています。すなわち、先進的なデザイン、妥協を許さないパフォーマンス、そして紛れもないエクスクルーシビティ(希少性)です」
ランボルギーニの会長兼CEOであるステファン・ヴィンケルマンはフェノメノ・ロードスターについて、そう声高に宣言した。
クローズドを前提としないハイパー・エレガントな専用デザイン
フェノメノ・ロードスターは、2025年に発表された「フェノメノ」をベースとするオープントップのスーパースポーツカーだ。そのスタイリングは、圧倒的なパフォーマンスを予感させながらもアグレッシブすぎず、どこか洗練された印象を与える。フェノメノとフェノメノ・ロードスターのデザインを手がけたのは、ランボルギーニ社内のデザインチームであるチェントロスティーレ。その責任者であるミティア・ボルケルトは、フェノメノの発表に際し、その位置づけを次のように解説してくれた。
「フェノメノはハイパー・エレガント、つまり傑出した洗練さをテーマにデザインしました。たとえば銀座に買い物に出かけるのにも使えるし、サーキットで限界走行を試みるのにも適している。そのためボディが少し長く見えるスタイリングとしました」
そんなクーペ版のフェノメノに比べると、オープントップにモディファイした分、フェノメノ・ロードスターのほうがより軽快でスポーティにも映る。ちなみに、この写真はルーフを取り去った状態ではなく、フェノメノ・ロードスターにはもともとルーフが用意されていない。つまり、雨天は実質的に使えないわけだが、そもそも世界でたった15台だけが生産され、価格はおよそ500万ユーロ(約9億2000万円)とされるフェノメノ・ロードスターを雨の日に走らせようとするオーナーはいないだろう。
また、クローズド状態にすることを前提としない設計であれば、デザイン面での妥協を強いられないというメリットも生まれる。どちらがフェノメノ・ロードスターのようなモデルに相応しいかといえば、オープン専用のデザインのほうであることはいうまでもない。
ただ屋根を切り取っただけではない。剛性を担保する専用サブフレーム
もっとも、フェノメノ・ロードスターは単にフェノメノのルーフを切り取っただけのモデルではない。オープンボディとしたことから剛性のバランスが変化。これに対応するため、前後のサブフレームにはフェノメノとは別物の専用設計品が用いられた。さらに、横転時の安全性を確保するためにロールオーバーバーを追加して万全を期している。
いっぽうで、フェノメノ・ロードスターのモノコックはフェノメノ同様、レヴエルト用をベースとしている。これは、ランボルギーニの特許製法であるフォージドコンポジットを中心としながら、ドライカーボンなどを組み合わせて作るもので、より強靱で軽量な構造体を作るのに適しているとランボルギーニは主張する。この工法を、彼らは「モノフューセレイジ」と呼んでいる。
V12ハイブリッドは1080psへ進化。日本へも貴重な1台が上陸
排気量6.5Lの自然吸気式V12エンジンに3モーター式プラグインハイブリッド・システムを組み合わせたパワートレインも、基本的にはレヴエルト用の発展版といっていい。ただし、そのシステム出力はレヴエルトの1015psからフェノメノ・ロードスターでは1080psまで引き上げられており、0-100km/h加速は2.4秒、0-200km/h加速は6.8秒で、最高速度は340km/hオーバーと発表されている。これはランボルギーニのオープントップモデル史上、もっとも優れたパフォーマンスだという。
サスペンションはレヴエルト同様、前後ダブルウィッシュボーン式となるが、ダンパーはレヴエルトの電子制御式マグネライドから、よりピュアでパフォーマンス志向の強い手動調整式レーシングダンパーに変更された。そのメリットとして、車高をより低くできること、公道とサーキットでセッティングを的確に変更できることなどが挙げられている。
ちなみにクーペ版フェノメノの価格はおよそ300万ユーロ(約5億5000万円)で、生産台数は29台だった。そんなフェノメノよりもさらに希少性が高く、より高価なフェノメノ・ロードスターは日本にも1台だけが輸入されるという。ただし、フェノメノ・ロードスターは発表された時点で15台が完売済み。これを手に入れることができた日本人オーナーが、なんとも羨ましい。
【画像39枚】ルーフを捨てた究極の造形美。9億円超のランボルギーニ「フェノメノ・ロードスター」のディテールをチェックする










































