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【ニュルBEV最速奪還】ポルシェ・タイカン・ターボGTが6分55秒533記録、マンタイの強大な空力で新鋭シャオミを超越

ポルシェ・タイカン・ターボGT マンタイ・キット
ポルシェ・タイカン・ターボGT マンタイ・キット
ポルシェ・タイカン・ターボGT マンタイ・キット

ポルシェの執念とマンタイの魔法が交差する

ポルシェは2026年5月7日、ハイパフォーマンスBEVスポーツカー「タイカン・ターボGT ヴァイザッハ・パッケージ」に向けた、サーキット特化型の「マンタイ・キット」を初導入すると発表した。これまでポルシェのGTモデル専用として開発されてきたマンタイ・キットが、電気自動車に設定されるのは今回が初めての試みとなる。本キットを装着した車両は過酷なニュルブルクリンク北コースで6分55秒533という驚異的なラップタイムを叩き出し、強豪ひしめく電動エグゼクティブカーのカテゴリーにおいて、再び最速の座を見事に奪還した。

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覇権は譲らない。シャオミを沈めたニュル655秒台の衝撃

ポルシェの開発ドライバーであるラース・ケルンは、マンタイ・キットを装着したタイカン・ターボGT ヴァイザッハ・パッケージのステアリングを握り、1周20.832kmのニュルブルクリンク北コースで6分55秒533という新記録を樹立した。電動エグゼクティブカー(4ドア市販BEV)のカテゴリーにおいては、2025年6月に中国・シャオミの「SU7ウルトラ」が7分4秒957というタイムで記録を塗り替えていたが、今回のポルシェの挑戦はこれを9秒以上も上回る結果となり、同カテゴリー最速の称号を奪い返したことになる。

さらに、ケルン自身が2023年10月に標準のタイカン・ターボGT ヴァイザッハ・パッケージで記録した7分07秒55というタイムと比較しても、12秒の短縮を果たしている。現場に同席した公証人によって正式に認定されたこの記録は、同モデルでありながらマンタイ・キットの威力を明確に示すものだ。ケルンによれば、ラウダリンクとベルクヴェルクのコーナー間の区間だけでも以前の記録時より14km/h速く、車両の空力向上による安定性と自信の向上がタイム更新に大きく貢献したと語っている。

空気という最強の味方。標準比3倍のダウンフォースが描くコーナリング

ポルシェのタイカンモデルライン責任者であるケビン・ギークが語るように、小規模ながらも強力なプロジェクトチームにより、マンタイのDNAが見事にBEV用のキットへと移植された。その最大の武器は空力性能の劇的な向上であり、ダウンフォースは標準モデルの3倍以上に増加している。200km/h走行時の総ダウンフォースは95kgから310kgに引き上げられ、305km/hから310km/hへと向上した最高速度での走行時には、約740kgもの強大なダウンフォースを発生させる。

これを実現するため、大型化されたエンドプレートを持つ新設計のリアウイング、最適化されたフロントディフューザー、延長フィンを備えた高性能リアディフューザーなどが採用された。後輪には空力効率を改善するカーボンエアロディスクが装着されている。さらに、高品質な露出カーボンファイバー製のホイールアーチエクステンションや幅広のサイドスカートなどの追加パーツが、視覚的にもモータースポーツの血統を力強く主張している。

圧倒的質量に抗う足回り。軽量鍛造ホイールと強化ブレーキの必然

今回のマンタイ・キットでは初めて、パワートレインそのものへの最適化も実施されている。高電圧バッテリーなどの改良により走行中の最大放電電流が1100Aから1300Aに引き上げられ、システム出力は標準モデルより20kW増の600kW(816ps)に到達した。ローンチコントロール時の最大トルクは1270Nmとなり、アタックモードを作動させれば最大130kWのパワーブーストが10秒間追加され、一時的な出力は730kW(993ps)に達する。

足回りには、新開発された21インチのマンタイ・デザイン鍛造アルミホイールが採用され、チタン製ボルトと合わせて標準状態から3kg以上の軽量化を実現している。オプション設定されるピレリP ZERO Trofeo RSのトラックタイヤはフロントが4cm、リアが3cm幅広となっている。加えて、ブレーキシステムの大型化(フロント440mm、リア410mm)やシャシーの専用設定により、サーキットでのアジリティとコーナリンググリップが極限まで高められた。このキットは、2026年6月からすべての対象車両向けに注文可能となっている。

【ル・ボラン編集部より】

「重く姿勢変化の掴みにくいBEVはサーキットに不向き」という定説は、タイカン・ターボGTの登場で既に覆されていた。今回のマンタイ・キット導入は、その衝撃をさらに不可逆なものにする。かつて911などGTモデルの特権だった空力の魔法が、4ドアBEVに740kgもの強大なダウンフォースを与え、新興勢力からニュル最速の座を実力で奪還したのだ。圧倒的な車重という物理法則の壁を、極限のエアロダイナミクスと大電流の制御でねじ伏せる。相反する要素を高次元で融合させるこの力技にこそ、ポルシェの執念が透けて見える。

なお、4月24日に発売した『ル・ボラン』最新号(2026年6月号)では、巻頭特集「絶対、ポルシェ。」と題して、ポルシェの今を徹底分析。911ターボSの国内初市場レポートや、新型カイエン・エレクトリックの海外試乗、そして数々のポルシェ現行モデルの乗り比べなど、本誌でしか読めない深掘り記事を満載してお届けしている。
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※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。

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