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2月18日、トヨタ自動車はオランダのデン・ハーグにおいて新型ラグジュアリークーペ「レクサスLC500h」を世界初披露し、その詳細を公表した。先のデトロイト・モーターショーで公開されたレクサスLC500のハイブリッドモデルで、3.5リッターV6エンジンと走行用モーターに自動変速機構を組み合わせた世界初のマルチステージハイブリッドシステムを搭載する。
マルチステージハイブリッドシステムは「ふたつのモーターを使用するハイブリッドシステムに有段ギアの自動変速機構を組み合わせることで、エンジンとモーター両方の出力制御が可能になった」というもの。低速域ではエンジン使用領域を高回転側に拡大して駆動力を高めるとともに、全速度域で効率の高い動作点を選択し、EV走行領域も拡大することで、エモーショナルな走りと燃費に優れた快適なクルージングを両立しているのが特徴と説明されている。ふたつのモーターがどのように配置され、有段ギアが具体的に何段なのかは、残念ながら明らかにされていない。
自動変速機構についてはLC500と同様、シフトチェンジの際の心地よいフィードバックと切れ味のいい変速を実現し、マニュアル感覚のドライブ操作を楽しめるMモードと合わせ、走りの楽しさを強調したとのことだ。また、車両後方に配置されたリチウムイオンバッテリーは、LC開発のポイントである低重心に貢献しているという。
3.5リッターV6エンジンはレクサスGS450hに搭載されているものと同じ2GR-FXE型ながら、諸元はGS用の295ps(217kW)/365Nmから299ps(220kW)/348Nmへと変更されている。システム全体での最高出力は359ps(264kW)でGS450hの348ps(256kW)よりもわずかに高く、そのためLC「500」hとなったようだ。ちなみに車名に同じく「500」を掲げたハイブリッドではないほうのLC500は、V10エンジンで475ps(349kW)/530Nmを発生する。
内外装についての説明はLC500のものと一字一句変わりがない。配布された写真ではスピンドルグリルの下部や前後ライトまわりの色合いが異なっているようにも見えるが、そうだと断言できるほど明確ではなく、はっきりと相違点として認識できるのはリアホイールアーチの前方に装着された「MULTI STAGE HYBRID」のエンブレムくらいのものだ。内装は2トーンの仕様が公開されているが、これがハイブリッド専用だとは明言されていない。そういうわけで、パワートレイン以外のトピックについては基本的にLC500と同じなので、そちらの記事をご参照いただきたい。
LC500hは3月のジュネーブ・モーターショーにも出展され、その後、LC500と同じく2017年春頃に日本発売となる予定だ。
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