A8の系譜を継承する新たな極み
アウディは2026年5月12日、ブランド初の大型フルサイズSUVとなる新型「Q9」のインテリアを初公開した。生産終了した旗艦セダン「A8」に代わり、アウディの新たな最高峰モデルとして位置付けられる一台である。ゲルノート・デルナーCEOが「“技術による先進”は車内体験によって定義される」と語る通り、Q9は単なる移動手段を超えた、極上の「モバイルな生活空間」として再構築されている。夏のワールドプレミアを前に明かされた、その圧倒的な室内空間を速報する。
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指先が触れるすべてに気品を。フルサイズSUVが提示する「次世代の聖域」
アウディの新たな顔となる「Q9」は、ブランド初の大型フルサイズSUVとして、これまでにないゆとりと特別感の基準を打ち立てるモデルだ。ゲルノート・デルナーCEOが、現代の自動車は顧客にとってモバイルな生活空間であると強調するように、Q9の室内は家族やビジネス、長距離の旅を支える「聖域」として設計された。
内装にはアルパカ繊維を含むウールや、ダイナミカ・マイクロファイバー、ファインナッパレザーといった最高級の素材が惜しみなく投入されている。また、光沢面を抑えてマットやテクスチャー加工された素材を多用することで、指紋の付着を最小限に防ぎつつ、洗練された静寂と気品に満ちた美学を追求している。新色として用意されたタマリンドブラウンやストーンベージュも、その上質な雰囲気を引き立てる要素だ。
スイッチ式調光ガラスと電動ドア。すべてを電子制御で極めたシームレスな空間
新型Q9にはアウディ初となる、すべてのドアを電動で開閉できるシステムが導入された。このドアはキーや専用アプリ、MMIだけでなく、ブレーキペダルやシートベルトの操作でも開閉可能であり、あらゆる状況で直感的かつスムーズな乗降をサポートする。さらに、サラウンドセンサーが障害物を検知してドアを停止させる機能も備わり、狭い場所での利便性のみならず、接近するサイクリストを検知して安全性を高める役割も果たす。
頭上には約1.5平方メートルの広大なパノラマサンルーフが広がり、9つのセグメントを個別に制御して透過率を切り替えられるスイッチ式ガラスを採用した。日差しを遮りつつ開放感を維持できるほか、駐車時には自動的に不透明になりプライバシーを保護する機能も備わっている。
空間を瞬時に最適化。フラッグシップに相応しい電動制御のフレキシビリティ
シート構成は、用途に合わせて6人乗りと7人乗りから選択可能となっている。オプションの6人乗り仕様では、2列目に独立した電動調整式シートを配置し、ベンチレーションを備えるなどビジネスクラス級の快適性を実現した。一方、7人乗り仕様では2列目の3席すべてにチャイルドシートを装着可能であり、家族利用への配慮も万全だ。
フロントにはマッサージ機能付きのスポーツシートプラスが用意され、ラウンジのような寛ぎを提供する。また、3列目シートは電動コントロールで個別に折りたたむことが可能であり、乗員数や荷物の量に合わせて瞬時に空間を最適化できるフレキシビリティも魅力だ。すべてのシートで部分的な電動調整が標準化されており、利便性と贅沢さが高度に融合している。
B&Oが奏でる4D音響と100W給電。実用性すら「技術による先進」で包み込む
音響面ではバング&オルフセン・プレミアムサウンドシステムが4Dサウンドへと進化した。これは、フロントシートに内蔵されたアクチュエーターが振動を伝えることで、音楽を単に「聴く」だけでなく「物理的に感じる」ものへと変える技術。ヘッドレストスピーカーにより、他者を邪魔することなく個人的な通話やナビゲーション案内を聞くことも可能だ。さらに、室内を横断するダイナミックインタラクションライトは、音楽のリズムやアルバムのアートワークに合わせて配色を変化させ、視覚と聴覚を同期させた没入型の体験を作り出す。こうした緻密な演出の一つひとつが、アウディが提唱する新たな「技術による先進」を体現している。
フラッグシップに相応しく実用性も抜かりない。センターコンソールには、2台を同時に急速充電できるQi2.2準拠のワイヤレスパッドや、最大100Wの給電が可能なUSB-Cポートが統合された。トランクスペースにはアルミニウムレールとスライド式フックが設置され、荷物を立体的に固定できるシステムを採用している。また、すべてのQ9にはルーフレール用のラックが標準で付属するなど、長距離移動への備えも万全だ。
この新たな旗艦SUVは、2026年夏のワールドプレミアを経て、約2ヶ月後に市場へと投入される予定とのこと。高級車の基準を再定義する一台の登場に、世界中の期待が集まっている。
【ル・ボラン編集部より】
かつてフラッグシップセダン「A8」が見せた、無機質でドライなまでの完璧主義は、フルサイズSUVという新たな器「Q9」を得て、極上のホスピタリティへと進化した。アウディが掲げる“技術による先進”の矛先は、もはや走りのダイナミクスだけには向いていない。自動ドアや4Dサウンドといった過剰とも思える電子制御は、あらゆる煩わしさを徹底排除し、乗員に完全な静寂をもたらすための手段だ。過度な情緒的演出とは無縁の、理詰めで構築された移動空間。これこそ、現代の自動車趣味人が求める「完璧な聖域」となる可能性を秘めている。
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