本格的な悪路走破性を実現できるラダーフレーム
新型ジムニー最高のポイントは、ラダーフレームを継承したことと断言しよう。スズキは、3代目エスクードに採用した「ラダーフレームビルトインモノコックボディ構造」という技術を持っており、モノコック化は非現実的な話ではなかったのだが、より本格的な悪路走破性を実現できるラダーフレームを新型ジムニーにも採用した。
フレーム形状は3代目ジムニーと似ているが、「似て非なる」と開発陣が言うラダーフレームは、ハイテン鋼などを使用した新開発となる。「Xメンバー」をフレームセンターに装備し、前後にはクロスメンバーを増設することで、ねじり剛性を1.5倍に高めている。
副変速機付きパートタイム4WDは2H・4Hに加え、急高配や泥濘など大きなトルクを必要とする際に4Loを選ぶことができるシステム。切り替え方法は3代目の5型以降はスイッチ式だったが、新型ではレバー式を採用し、より確実な切り替えを可能としている。さらに、悪路走行時に発生するステアリングへのキックバックを低減するステアリングダンパーも新採用している。
サスペンションは、前後ともに3リンク式リジットアクスルだ。リジットアクスルは左右輪での高低差がある時に低いタイヤへの荷重を大きくでき、悪路走破性を向上できるレイアウト。なお、トレッド/ホイールベースは3代目ジムニーと同等だが、ジムニーシエラはトレッドが40mm拡大。より大きなホイールトラベルを実現し走破性を向上させている。
さらに、新型ジムニーおよびジムニーシエラでは、ブレーキLSDトラクションコントロールを標準搭載。これは空転したタイヤのブレーキを作動させて接地しているタイヤへ駆動力を伝える機能。この機能を利用したヒルホールドコントロールやヒルディセンドコントロールも標準装備している。
愚直なまでに突き詰めた基本性能に、先進の機能を追加して手に入れた走行性能。新型ジムニーの進化をもっとも味わえるポイントだ。