インテリアは、従来型よりもCJの時代を思い出せさる直線基調のデザインに戻ったけれど、クローム仕上げのモールをさり気なくあしらうとか、最上級グレードのサハラにはレザーに手縫いのステッチを入れたトリムを用いるなどディテールはけっこう現代的に。それどころか、Uコネクトを全モデルに装備し、アップルカープレイやアンドロイドオートに接続することさえ可能だ。質実剛健でも、少しも時代遅れではない。
その証拠に、ボディサイズは従来型よりもひと回り大きくなっているにもかかわらず、車両重量は最大で70kgの軽量化に成功。そのために、フロントのウインドシールドフレーム、ドアパネルとヒンジ、フェンダー、リアのスイングゲートパネルはアルミニウム製、スイングゲートのフレームはマグネシウム製としている。
結果として、従来型と同系となる3.6LのV型6気筒を積むモデルで、ATが5速から8速になったことも効いているが、空力性能の向上と軽量化によりJC08モード燃費が23%改善。さらに、新たに2.0Lの直列4気筒直噴ターボエンジンを積む4ドアのスポーツは30%以上改善。ラングラー最大の課題を解決したわけだ。
それでいて、オフロード性能も強化。4WDには、パートタイム式とフルタイム式を組み合わせたシステムを採用。オフロード性能重視のルビコンには、ローレンジに切り替え可能な副変速機と前後デフのロック機能に加え、スイッチ操作でフロントのスタビライザーを解除する機能も備える。
日本の各地にあるオフロード専用コースくらいの設定であれば、ルビコン専用機能の出番がないくらい新型ラングラーは優れた走破性を発揮してくれる。4WDはパートタイム式の4H(フルタイム式のセンターデフは自動的にロック)を選択するだけで、雨で濡れて見上げるような急坂に刻まれた深いわだちを、モノともせずにグイグイ登る。
ATはDレンジのままで、驚くことにタコメーターに視線を飛ばすとエンジン回転数はわずか1500rpm。このネバリ強さ、やはりタダ者ではない。
しかも、ジープのイメージからするとサスペンションはガチガチに固められていそうだけど実は正反対。前後リジッド式ながらサスペンションをスムーズにストロークさせることで、4輪が路面に追従し駆動力をムダにしないのだ。