直6の極上の吹け上がりを味わえるだけで大満足!
今回の試乗会では、AMGに新たに加わった53シリーズに試乗するプログラムも含まれていた。このシリーズはすでにCLSとEセダン/ステーションワゴン/クーペ/カブリオレが国内に導入済だが、その中でも最もスポーティと思われるE53クーペに乗る機会を得たので、その印象をお届けしたいと思う。
その数字が示す通り、63と43の間を埋めるモデルの53シリーズには、43シリーズと同じ3.0L直6ターボユニットが搭載。最高出力は43の34psアップとなる435ps、最大トルクは同じ520Nmを発生する。このエンジンが実に素晴らしく、アクセルを踏み込めば直6ならではの気持ちいい吹け上がりと、極上のエキゾーストサウンドが味わえる。これだけで購入する価値があると思えるほどだ。
乗り心地もすこぶる快適で、ハンドリングはメルセデスらしいシットリ系ながらも、しっかりと芯がありスポーティな走りも許容してくれる味付けで好印象だった。
国内でE53セダンにも試乗してみたが、クーペよりも乗り心地がやや硬く、路面の凹凸で若干突き上げが感じられた。とはいえこれは試乗車があまり距離を走っておらず、まだ足回りがこなれてなかった可能性もあるかもしれない。
乗り味もハード過ぎずソフト過ぎず、パワートレインも持て余すことも物足りないこともない、まさに「ちょうどいい」性能が魅力の53シリーズ。そんな趣向の方には、打ってつけといえるだろう。