一般公道でV105を味わう
後日、ADVAN Sport V105を履かせたBMW M5をドライブする機会に恵まれた。パワーは600ps、トルクも750Nmとなり、それらで効率よく路面を蹴っていくため、BMW Mサルーン初の4WDシステムが与えられたモデルだ。装着タイヤは欧州仕様の純正サイズで、フロントが275/40ZR19、リアは285/40ZR19。ただし心残りであることに、走らせたのは一般公道のみ。とてもじゃないが、タイヤの持つパフォーマンスのすべてが味わえたわけではなかった。
が、わかったことがないわけじゃない。最初に気づいたのは、想像していたよりも「快適」ということだった。ハイパフォーマンス系のタイヤはロードノイズやパターンノイズが大きくても不思議じゃないけど、それがほとんど気にならない。「静か」といっても差し障りがないだろう。それに(サスペンションの出来映えとも大きく関わっていることだが)乗り心地もいいといえる部類。サイドウォールの剛性がしっかりとしてるおかげか、もちろん妙なたわみのようなものはまったく感じられず、けれど路面が今どういう状態にあるのかというインフォメーションをしっかりと伝えてくれる。
「あれ? 転がる!」という驚きもあった。高速道路を高めのギアで巡航している際、アクセルペダルを抜いてみても失速感が極めて少なく、速度をキープしようと転がり続ける。「だとしたら、グリップが甘めなのか?」。いや、ちっともそんなことはない。おおよそ一般公道で試せる範囲では、路面をしっかり握っている感覚が常にあった。このM5が搭載する4WDシステム「M xDrive」を2WDモードに切り替え、静止状態から750Nmの最大トルクを後ろ2輪にグッとかけていっても、すぐさま白旗を上げて空転を許してしまう感触もなかったし、そうした強烈なスタートダッシュで駆動輪がヨレてクルマの動きに影響を与えることもなかった。
ちょっとした九十九折りでステアリングを次々と操作していくときのレスポンスは特に気に入った。間髪入れずクルマが反応する。とっても素直に、適度な手応えをもってして。もちろん、これくらいでADVAN Sport V105の真髄に触れられただなんて思っていないけど、クルマ好きとして“ここがいいな”と感じるところをたくさん持っていることは確かだ。
だから、次のタイヤ交換の際には、ADVAN Sport V105を愛車の足元候補に加えることをオススメしたい。僕ごときのインプレッションは信用できないかも知れないけど、名だたるプレミアム系ブランドのエンジニア達が選んだタイヤという事実は揺るがないからだ。彼らの選択眼なら信じることができるでしょ?
ADVAN Sport V105製品サイト https://www.y-yokohama.com/product/tire/advan_v105/