海外試乗

【海外試乗】「メルセデス・ベンツGLC」ミッドサイズSUVのベストセラーがフェイスリフト

引いた手綱は緩めない!

もはや世界中の自動車メーカーにとって稼ぎ頭となっているSUVの中で、その主役といえるのが、軽快感と存在感を合わせ持つミッドサイズ。今回、文字通りメルセデスSUVの中核を成すGLCがフェイスリフトを受けた。公式な発表はないものの、実は走りも確実にアップデートされていた!

滑らかなルーフラインが視覚的なハイライトとなるGLCクーペ。メルセデスとメルセデスAMGの両ブランドで全グレードに設定。

メルセデス・ベンツのGLCファミリーがマイナーチェンジを受けた。そのポイントは、主に①外観のデザイン変更、②パワーユニットのアップデート、③MBUXの搭載の3点に集約される。
フェイスリフトはフロントマスクが最新のメルセデス・デザインで統一され、それまでのややきついつり目が穏やかな表情にあらためられた。同様にテールライトも手直しを受けている。

MBUXを得てダッシュボード上のディスプレイが大型化された新型GLC。ステアリングの操作系も最新世代のそれに置き換わっている。

パワーユニットについては、GLC300に搭載される4気筒ガソリンが新世代に切り替わり、ベルト駆動の48Vマイルドハイブリッドを搭載。また、ディーゼルは排ガス後処理装置が改良されたほか、出力も向上している。
「ヘイ、メルセデス!」で起動する音声認識装置を盛り込んだMBUXについては、あらためて紹介するまでもないだろう。
最初に試乗したGLC300dは日本では販売されないものの、ディーゼル特有の燃焼音は現行GLC220dと比べて明らかに小さく、アイドリング時の振動も減少。洗練度が一層増している。日本にはチューン違いのGLC220dが導入される見通しだが、エンジンは基本的に300d用と同じなので、ノイズや振動に関しては同様の改善が期待できる。

シートまわりに大きな変更は認められなかったが、本国仕様ではスポーツシートやガラスサンルーフなどがオプションで用意される。

シートまわりに大きな変更は認められなかったが、本国仕様ではスポーツシートやガラスサンルーフなどがオプションで用意される。

それとともにGLC300dで驚かされたのがエアサスペンションの効果。金属バネ仕様の現行モデルに比べて路面から伝わるゴツゴツ感が明らかに軽いうえに、荒れた路面でもフラットな姿勢を崩そうとしない。メルセデスのエアサスはおしなべて完成度が高いが、GLCも例外ではないようだ。マイナーチェンジ後は日本仕様にもエアサスが用意されるとのことなので大いに楽しみだ。

 

完熟のシャシーも嬉しいニュース

現行のGLC250に置き替わる格好となるGLC300は、前述のとおりマイルドハイブリッドを搭載したことがニュース。アクセルを強く踏み込めば電気モーターのアシストが素早く始まり、爽快な加速感が味わえる。もっとも、その度合いはほどよく、不自然さを感じさせない程度。また、アイドルストップ後の再始動などで不快な振動が起きないことも、マイルドハイブリッドの大きな利点だ。

ラゲッジルーム容量はGLCが580LでGLCクーペが500L。3分割可倒式の後席を倒せば、それぞれ1150Lと1023Lまで拡大可能だ。

なお、試乗したGLC300は可変式ダンパー付きの金属バネ仕様だったが、現行モデルに比べてロードノイズ、ハーシュネス、フラット感のいずれもが少しずつ改善されているように思われた。

AMG63とAMG63Sはいずれも4L V8ツインターボを搭載。最高出力は63が476ps、63Sが510psとなる。なお、AMG43も継続販売となる。

最後に試乗したのはトップパフォーマーのAMG GLC63S。踏めば即座に反応する4ℓV8ツインターボは、鋭いレスポンスという点においてこのクラスのトップに位置する。新型ではエンジン、サスペンション、ESP、電子制御デフなどが新たに統合制御された結果、担当エンジニアは「より正確なステアリングを実現した」と主張する。今回は一般公道での単独試乗だったので、その効果を明確には感じ取れなかったが、意外だったのはAMGとは思えないほどソフトで快適だった足回りがいくぶん引き締まり、路面の凹凸を明確に伝えるようになったこと。このほうが路面の状況を把握しやすいと歓迎する向きもあるかもしれないが、快適性だけでいえば現行型に軍配が上がるかもしれない。
日本仕様は220d、300、AMG63のほか、PHVの350eとAMG43が導入予定。MBUXの搭載を含め、GLCの魅力が一段と高まったことは間違いない。

 

【SPECIFICATION】メルセデス・ベンツ GLC300 4マチック[GLC220d 4マチック クーペ]
■全長×全幅×全高=4669×1890×1644mm[4742×1890×1602mm]
■ホイールベース=2873mm
■トレッド(前/後)=1621/1617mm[1618/1614mm]
■車両重量=1805kg[1845kg]
■エンジン型式/種類=-/直4DOHC16V+ターボ
■内径/行径=83.0×92.0mm[82.0×92.3mm]
■総排気量=1991cc[1950cc]
■圧縮比=10.5[15.5]
■最高出力=258ps(190kw)/5800-6100rpm[194(143)/3800rpm]
■最大トルク=370Nm(37.7kg-m)/1800-4000rpm[400Nm(40.8kg-m)/1600-2800rpm]
■燃料タンク容量=66L(プレミアム)[50L(軽油)]
■トランスミッション形式=9速AT
■サスペンション形式=前Wウイッシュボーン/コイル、後マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前Vディスク、後Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前235/65R17(7.5J)[235/60R18(8.0J)]、後235/65R17(7.5J)[235/60R18(8.0J)]

ルーフ後端の大型スポイラーと4本出しテールパイプが特徴的なAMG63/AMG63S。写真の21インチホイールはオプション設定だ。

【問い合わせ】
メルセデス・ベンツ日本 0120-190-610

リポート:大谷達也/T.Otani フォト:メルセデス・ベンツ日本/MERCEDES-BENZ JAPAN  ル・ボラン8月号より転載
LE VOLANT web編集部

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