若手ドライバー育成の場として初のEVラリー選手権を開催
グループPSAに属するドイツブランドのオペルはこのほど、Bセグメントモデルの新型「コルサ」に設定されたEV仕様「コルサe」をベースにしたラリーマシンを製作。9月10日に開幕するフランクフルト・モーターショーで初披露すると発表した。さらにオペルは、ADAC(ドイツ自動車連盟)とのパートナーシップにより世界初のEVラリーレース「ADACオペルeラリーカップ」をスタートさせる方針を明らかにした。
このラリーマシンには、136ps/260Nmを発揮する電気モーターと総電力量50kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。このEVパワーユニット自体は市販モデルのコルサeと変わらないが、フロントアクスルにトルセン・ディファレンシャルやラリー車仕様のサスペンションを採用しているほか、キャビンにロールケージを組み込んだ軽量ボディやアンダーボディカバーを装備。ブレーキはフロントが332×28mm、リヤが264×12mmのディスクを組み合わせる。
2020年の夏からスタートする「ADACオペルeラリーカップ」は、初年度はスーパーシーズンとして、2021年までに10回の予選ラウンドを予定。今のところ15台が参戦する予定で、このマシンの価格は5万ユーロ(約590万円)以下に設定されるとのこと。
ADACとオペルはこれまで、若手ラリードライバーの育成カテゴリーとして「ADACオペル・ラリーカップ」を開催してきた。マシンは「オペルR2」が用いられ、この選手権からはWRC2などを闘う将来有望な選手が数多く輩出されている。オペルとADACでは、同選手権やこのたび発表された「ADACオペルeラリーカップ」で優秀な成績をおさめたドライバーに、欧州ジュニアラリー選手権でコルサR2による参戦機会を与えるなど、若手ドライバーの支援・育成を促進する狙いだ。