電子制御に関してはCLSは違和感ある挙動は一切なし
メルセデスはどうか。クルマのハードウェアは完璧に近いが、唯一タイヤのウェット性能が不足していた。ウェットの制動距離がA7と比べて大きく差がついてしまった。CLS450は硬めの乗り心地ではあるが、ダンピングが良いので、高速周回路での乗り心地は引き締まっており、スポーツセダンに似合っている。
電子制御に関しては、メルセデスは入念にテストされているのだろう。違和感がある挙動は一切なかった。今回テスト車両、CLS450にはISGというモーターが9速トルコンATに内蔵され、スターター&モーターアシスト、発電機、回生ブレーキの三役をこなす。これらソフトウェアがクルマと調和していないと、ユーザーは乗りやすいとは感じないはずだが、ソフトウェアの方は課題を見い出すことができなかった。一方でドアミラーまわりの風切り音が少し気になった。
これからのクルマには、半自動運転システムが搭載されるので、ハードウェアとソフトウェアの調和はますます大切になってくるだろう。DSTでは、その視点を忘れずに評価していきたい。