パーツブランドにこだわる気持ちをくすぐる演出
サスペンションのスプリングレートは従来のSグレードより1割ほど下げたというが、足回りがヤワになった感覚はなく、シャキッとした感じは増している。FFゆえに前後重量配分はフロント520㎏、リア330㎏(5速MT車)ながらフロントヘビー感はなく、さまざまな速度で走ってみたがフラット感は保たれている。細かい部分ではあるが、EPSの制御を初期応答を高める方向へ見直した効果も出ているようだ。
658cc直3ターボエンジンのパワースペックは64ps/92Nmと、コペンの他モデルと変わらない。トランスミッションは5速MTと7速スーパーアクティブシフト付きCVTを設定。
一般公道の荒れた舗装路面ではさすがに凹凸からの入力がダイレクトに身体に伝わってくるが、揺れが収まるのが早いので不快感はない。速度を上げていくとタイトコーナーでフロントの重さを感じることもあるが、それもアクセルとブレーキでコントロールできる範囲なのでハンディにはならないだろう。強めのブレーキをかけた時もフラット感は保たれ、登り下りを問わずワインディングを駆けるのが楽しくなる仕上がりだ。
インテリアは、レカロシートや自発光式3眼メーター、MOMO製ステアリング、ピアノブラック調のセンタークラスターなどの専用アイテムで上質感ある雰囲気を表現。
5速MT車のフットレストが小さめだったり、ステアリング調整がチルトのみなので体格によってはベストポジションが得にくかったりと、改良を望みたい部分もあるが、そのあたりは「DNGA化」が図られるであろう次期モデルに期待したいところ。
レカロシートやMOMOステアリング、BBS鍛造ホイールを標準装着するなど、パーツブランドにこだわる気持ちをくすぐる演出も忘れていないコペンGRスポーツ。今後もこうしたクルマを絶やさず設定し続けて欲しいものだ。