月刊イタフラ

【嶋田智之の月刊イタフラ】DS9が昔の“DS”と全く違うのは確かだけど

粋なセダンがひとつ増えたね

お伝えするのが遅くなったのですが、実はDSブランドがまったく新しいフラッグシップサルーンを発表しているのです。その名も“DS9”。

全長4.93m、全幅1.85mという数値が公表されてるので、メルセデスのEクラスやBMWの5シリーズくらいのサイズだと思っていただければいいでしょう。成り立ちとしては3ボックスのセダンですが、パッと見、ルーフからリアエンドまではファストバックのような綺麗なラインを描いています。フロントは馴染みのあるDS顔をフォーマルにした印象。ボンネットの中央にはノーズから後方に向かってサーベルのようなクロームの装飾があしらわれています。全体的に格調高い雰囲気を纏ってる感じがしますね。
大きな写真で見せられないのが残念ですが、インテリアはレザーやアルカンターラなどの素材感、素材の使い分け、色味、トーンなどなど、いかにも独自のフレンチ・ラグジャリーの世界を創造していくDSらしい美しいまとめ方。イタ車のそれとは明らかに違うけど、やっぱり官能的といえるような空間なのです。ホイールベースが2.9mあるので、リアシート周りもかなり広そう。

肝心のパワートレインは、ETENSEと称するプラグインハイブリッドです。FWDの250ps仕様と4WDの360ps仕様の2種類が用意されます。

スタイリングに往年のシトロエンDSの香りがしないことを嘆く人も多いようですが、個人的には絶対に超えることのできない孤高の存在をなぞることをせず、新しいアプローチで高みを目指す姿勢がいいな、と思ってます。

それにDS9、この写真だと伝わりにくいのですけど、見れば見るほどエレガントに感じられるのです。発表はまだだけど、きっと日本にも導入される……かも。

ルボラン2020年6月号より転載
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