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【海外試乗】「フォルクスワーゲン・Tロック カブリオレ」話題のニューモデルがいよいよ現る

フォルクスワーゲン第4のSUVとなるT-ROC(Tロック)。コンパクトSUVでのベンチマークとなるべく投入された意欲作にオープンモデルが追加設定。日本のフォルクスワーゲンにはオープンモデルがないだけに、ぜひとも導入を検討してほしいものだ。まずはドイツからの第一報をお届けしよう。

クローズ状態ではリムジンのように静か

電気自動車という全く新しいカテゴリーの登場によって、コストが飛躍的に上がり、バリエーションのリストラクチャー(整理)が始まっている。これまでに把握しているのは、小はフォルクスワーゲン・アップ!、大はメルセデス・ベンツのXシリーズ(ピックアップ)が将来的に生産中止を発表している。

試乗車のエンジンは1.5L直4ターボで150psと250Nmを発生。ほかには115ps、200Nmの1L3気筒ターボモデルもラインナップする。

さらに該当するのはカブリオレ(オープンモデル)だ。こちらはアウディA3カブリオレとメルセデス・ベンツSLCが後継モデルの開発を中止したと伝えられた。そして、フォルクスワーゲンは次期ゴルフ・カブリオレの市場投入を止める模様なのだ。

センターコンソールには9.2インチのフルデジタルスクリーンが備わる。

しかし、市場からのオープンモデルへのの要求は消滅したわけではなく、その解決方法としてフォルクスワーゲンが示したのは、人気のTロックにカブリオレを設定するという決定である。これならばニッチなモデルとしてある程度の台数を確保する可能性があると見たわけである。

フォルクスワーゲンは、3月初めにスペインでの試乗会を予定していたが、新型コロナウィルスによって中止。その対策としてドイツ在住のジャーナリストに試乗のチャンスを与えてくれたのだ。

後席はソフトトップをクローズ状態では小柄な人や子供向けと割り切るべきだろう。

気温10℃の外気温にもめげず、ブリリアント・ブルーのボディに乗り込み、スターターボタンを押す。全長は4ドアと同じ4268mmだが後席を振り返るとはっきり言ってかなりタイト。頭上はギリギリセーフだが両側からルーフ開閉機構が張り出す。

荷室容量は284Lと小型のスーツケースなら3個くらい収まる。

試乗車に用意されていたのは、最高出力150ps、最大トルク250Nmを発生する1.5L 4気筒ガソリンエンジンのTSI。0→100km/h加速は9.6秒、最高速度は205km/hと公式データに記載されている。7速DSG(デュアルクラッチ)を介しての加速感は、アウトバーンへの合流時では重さを感じさせるが、不満を覚えることはない。

ルーフはファブリック製で、コンソールのスイッチひとつで開閉が可能だ。開閉時間は15秒以下で、30km/hまでなら走行中でも開閉できる。クーペライクなルーフラインを持つスタイリッシュなフォルムが特徴だ。

一方、カントリーロードではTロックの持ち味であるスポーティなハンドリングを楽しむことができた。もし、さらなるパフォーマンスを望むのであれば、もう少し待てば300psのTロック Rが登場するはずだ。
ソフトトップはスイッチ操作ひとつで全自動にルーフが開閉可能で、時速30km/hまでであれば、15秒以下で開閉できる。そしてクローズ状態ではまるでリムジンの静けさで、強い雨音もほぼ遮断され快適な空間を確保している。ただ、クローズ時の後方視界の悪さはやや気になった。

乗り込む時に感じたのは、シート高60cmと、これまでのオープンカーになかった乗降性の容易さで、これは女性やシニアにも受けるに違いない。
インテリアにはフォルクスワーゲンの3世代目のインフォテイメントシステム(MIB-3)を搭載し、コクピットには11.7インチ、センターコンソールには9.3インチのフルデジタルスクリーンが備わる。ただし、ゴルフVIIのような最新のユーザーエクスペリエンスであるボイス入力システムは搭載されていない。
Tロック・カブリオレのドイツでのベースモデル「スタイル」の価格は19%の付加価値税込みで2万7495ユーロ(約330万円)で、現時点ですでに予約がスタートしている。日本での価格や発表時期などはいまだアナウンスはない。

フォト=フォルクスワーゲンAG/VOLKSWAGEN AG ルボラン2020年5月号より転載

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