顧客の半分近くは初めてのフェラーリオーナーとのこと
東京都港区に拠点を置くオフィシャル フェラーリ ディーラー、『ロッソ・スクーデリア』が新たなCIを導入。10月8日の発表に先駆けて前日、報道陣向けのプレビューを行った。
新しいウェルカム・デスクは、ディーラーに足を踏み入れたお客様をすぐにお迎えできるよう、以前より入口寄りに設置。このアップデート版ウェルカム・デスクは、フェラーリが車両の製造に込めるのと同じレベルの配慮と心遣いを、ショールームでのすべての瞬間に実現するステップのひとつとして取り入れられたという。
ロッソ・スクーデリアは2009年、フェラーリ専売のディーラーとして南青山にオープン。その後、2014年に現在の六本木へと移転、リニューアルオープンを果たした。飯倉片町の交差点に面したその独特のデザインの建物は首都高速環状線からも見えるので、一度は目にしたことがあるかもしれない。また2016年にはグローバルでトップディーラーアワードを受賞するなど、この約10年で大きく躍進した存在とも言えよう。
2Fのコンサルティング・ルームには、購入を検討中のお客様向けにデジタル・シミュレーターを用意。お好みのモデルとスペックを選び、装備するアクセサリーなどのカスタマイズが可能となっている。この新シミュレーターは最新テクノロジーを活用したコンフィギュレーション・モニターも備わっている。
今回の新CIは昨年ロンドンなどで既に採用されているもので、日本ではこのロッソ・スクーデリアが最初の導入となる。現在日本国内のオフィシャル フェラーリ ディーラーは全9ヵ所となるが、2021年の第一四半期までに他の8ヵ所も導入する予定とのことだ。ちなみに今回のリニューアルは本来7月の予定だったが、コロナ禍でイタリアからの輸入が遅れこの10月になったそうなので、今後の状況次第では遅れることも予想される。
3Fは認定中古車の展示スペースだが、当日はフェラーリF1の2000年仕様が展示されていた。
3Fのコミュニティ・テーブルは、活気あふれるイタリアのカフェをイメージ。ゆったりくつろいでエスプレッソを味わいながら、ヘリテージ・ウォールを鑑賞することができる。
リニューアルのポイントは、プレスリリース上では『これまで以上にブランドとの強い結びつきや居心地のよさ、情報量、エネルギーをお客様に感じていただける』と表現され、親しみを持てるリラックスできる空間作りを目指したようだ。これまではF1を頂点とするスポーティさを強調する雰囲気だったが、ローマというGTカーや今後デビューが控えるSUVが象徴するように、ラグジュアリーを求める新たな顧客も取り込んでいきたいという意図を感じた。
また創業者エンツォ・フェラーリの言葉として『夢を見ることができれば、実現可能である』という意味のイタリア語が、コンサルティング・ルームに掲げられており、”カスタマーの夢を実現する場所”というコンセプトがより明確になったように思う。
プレビューの当日ゼネラルマネージャーの松原隆文氏は、「産業構造が変わり、新しい業種のビジネスで成功された若いお客様も増えてきました」と語っており、そういった変化にも対応したのだろう。
また、スタッフは「当ディーラーのお客様の約半分近くは初めてフェラーリを購入された方です」と、六本木という土地柄の特徴もコメントしていた。
また、今年の年始よりフェラーリ・ジャパンの代表取締役社長に就任したフェデリコ・パストレッリ氏は「日本はポテンシャルのあるマーケットです。全ては発掘しきれておらず、まだチャンスはあると思います。さらにディープなマーケティングを展開したい」といった趣旨のコメントもしており、世界的に好調の続くフェラーリの販売だが、手綱を緩めことなくますます攻めていく、ということである。
〇ロッソスクーデリア https://tokyo-rossoscuderia.ferraridealers.com/ja_jp/