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わしがオリジナルじゃッ!タミヤ製プラモの改造で「ジャガー・マーク1」を作る!【モデルカーズ】

新時代の小型ジャガー・サルーン

マーチ・ベースのレトロ風自動車においてそのモチーフとされるなど、1960年代の4ドア・サルーンの中でも知名度の高いジャガー・マーク2。「マーク2」と言うからには「マーク1」もある訳だが、それについて意識される機会はあまり多くないようだ。マーク1と呼ばれるジャガー・サルーンとは、1955年にデビューしたジャガー2.4と、その改良版として1957年に追加されたジャガー3.4のことである。

1955年当時のジャガーには、4ドア・サルーンは大型のマークⅦしかなく、2.4はそれより小型のファミリーカーとして登場したのであった。この位置づけは、それより数年前に販売を終えていたSSジャガー1 1/2の後を継ぐものでもある。完全に戦後モデルとして新設計された2.4の特徴は、フレームを車体と一体化したモノコックボディを採用していたことで、そのスタイルもフェンダーを完全に一体化したフルワイズボディであり、まさに新時代の到来を告げるものであった。

とは言え全体のプロポーションは戦前からの流れに沿ったもので、特にキャビン周りの形状にそれが窺える。マーク2ではサイドウィンドウがサッシ式となり前後ウィンドウも拡大されたので、遡ってマーク1を見ると非常に古めかしい感じもするが、1955年当時ではこのプレスドア・スタイルは常識的なものである。話を2.4に戻すと、搭載されたエンジンはマークⅦやXK120と同じ直6 DOHCエンジンのストロークを縮めて2.4Lとしたもの(2483ccなので実際はほぼ2.5L)で、最高出力114psを発揮。

サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアが半楕円リーフにトレーリングリンクを組み合わせたリジッド。ブレーキは後のマーク2では4輪ディスクとなるが、マーク1では4輪ともドラムであった。前述の通り、1957年には3.4を追加。これはマークⅧに先に採用されていた3442ccエンジン(210ps)を搭載したもので、サスペンションも強化されている。そして1959年にはマーク2へと進化、便宜的に従来のモデルはマーク1と通称されるようになったのである。

さて、ここでお見せしているのは、このマーク1と称されるジャガー2.4を、1/24スケールで再現したプラモデル完成品である。ただし、マーク1自体のキット化はなされていない。これはタミヤ製のジャガー・マーク2を、窓周りやフロントマスク、後輪のスパッツなどに手を加えてマーク1へと改造したものである。

基本骨格から手を加えてマーク1化
ベースはタミヤの傑作キットであるジャガー・マーク2だが、このボディはキャビン側面の傾斜が強めだ。マーク1にした時には不自然なのでこれを改修する。まず工作の基準となる中心線を出すが、デバイダーを使って両側の同位置から円を交差させると、その2点から中央線が導ける。カットラインにテープを貼り、交点を0.2mmドリルで開口。そして0.2mmのBMCタガネでルーフラインをカットし、両サイドに1mm、前縁に0.5mmのプラ板を挟んで拡幅。これで骨格が修正できたので、まずドアサッシを削り落とす。

資料を参考にドア上部の図面を描く。これを1.5mmプラ板に貼り付け、窓枠の内側を小さめに開けてからボディに接着する。フロントの窓枠はモールドのみ削り落とすが、下枠の位置は変わらないのでここのみ1mm彫り込んだ。そして1mmプラ角棒を瞬着と流し込み接着剤で貼り込み、開口部を縮小。リアウィンドウも同様に作業する。サイドウィンドウは左右を同じ形に削るのは大変なので、ガラス部分をプラ板で切り出し、ガイドとした。ぴったりハマるように整える。Bピラー表面は平らではなく弓なりにするのがポイント。

開口部のヘリを丸めたら、プラ棒を貼り込んで窓枠とレインモールを作る。スジボリ堂のセラダンモを使い、内側の枠をシャープに整えた。レインモールの段差はBMCタガネでシャープにし、三角窓はエッチングソーでスジ彫り。前後ウィンドウはそれぞれ小さくなったため、ボディ開口部の形をマスキングテープに写し取り、少しずつカットした。フロントも細部を修正、車幅灯ケースとターンシグナル基部を削除し、グリル開口部を縮小した。グリル自体はプラ棒をボディに貼り込んで自作する。

インテリアにも手を加える。マーク1のダッシュボードはセンターメーターとなるので、前面をプラ板で作り直した。フロアにはセンタートンネルのコンソールパネルが付かないので、赤丸で囲った部分を削って均す。シートも背もたれが薄い形状となるので、背面を大きく削った。シートなどの天然皮革の表現には、ツヤありで塗装した上にクレオスのフラットベース「なめらか・スムース」を加えたクリアーを徐々に吹き重ねて調整。タイヤとホイール、そしてステアリングホイールはアオシマ/ドイツレベルのXK120から流用した。

後輪のスパッツは車輪をフルに覆う形に改修したほか、フロントバンパーのオーバーライダーの位置もマーク1とマーク2では異なるので、一度パーツをバラバラに分解し、位置を入れ替えて繋ぎ直した。ホーングリルやテールランプは自作品を取り付けている。

作例制作=ダッズ松本/フォト=羽田 洋 modelcars vol.191より再構成のうえ転載

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