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凝縮されたマッスル感が悶絶級にカッコイイ!!!AMT製プラモ「1966年型ビュイック・スカイラーク・グランスポーツ」【モデルカーズ】

伝統のネーミング”グランスポーツ”の登場2年目

1961年に登場したコンパクト・ビュイック、スペシャル。その2ドア・クーペに用意されたプレミアム・モデルがスカイラークだった。1964年型へのフルチェンジでスペシャルはインターミディエイトへと昇格、ホイールベースが3インチ(76.2mm)伸びて115インチ(2921mm)となった。同時にスペシャルの上級版がスカイラークという位置づけとなり、4ドアやワゴンもラインナップに加わっている。グランスポーツは1965年型でオプション・パッケージとして登場、この1966年型でひとつのモデルに昇級した。
グランスポーツはフルサイズと同じ401-cid(6.6L/325hp)の”ネイルヘッド”エンジンを搭載しているのが売りで、ダミースクープなどが外観上の特徴だ。ボディは2ドアのハードトップとセダン、そしてコンバーチブルの3種類。ビュイックはGMの他ブランドに対してスタイリング上の伝統が多く、縦線基調グリルやフロントフェンダーの飾り穴(ポートホール)等のモチーフが、断続的に受け継がれてきた。ポートホールは横に2~4個並ぶのが通例だったが、この頃から、縦に並べるなどの変化が見られる。

当時のキット開発事情が垣間見えるディテール
ここでお見せしているのは、このグランスポーツを再現したAMT製1/25スケールのプラモデルである。同社のキットは1966年にリリースされたこのハードトップ1種(No.6566)のみで、翌年エンジンレス版(4031)が出たが、1969年、ダートトラックレーサー「MEXICAL MULDARK」(T138)に転用。ボディの金型に手が加えられ、ホイールアーチが大きく切り欠かれてしまった。パーツ構成はオーソドックスで、カスタムパーツやオプション・ホイール等が付属。ボディのプロポーションはリアルだが、問題は細部である。

サイドモールは細い凸モールド2本でクロームトリム風だが、これは実車では白や赤のストライプだ。さらに問題は、ルーフ前端トリムとサイドのレインドロップモールの先端を結ぶラインが途切れていること。同じAボディのシボレー・シェベル等と同様、実車では繋がっている。ドアハンドルとキーホールの位置も上過ぎで、実際のキーホールはストライプと同じ位置だ。ところが、実車カタログ掲載の写真では、キットと同じ位置にキーホールがある。つまり、カタログも本キットも最終プロトタイプを元にしたはずが、発売の土壇場で変更があったというように想像できるのだ。作例ではレインモール先端をフロント窓枠上部までプラ材で延長したが、ドアハンドルとキーホールは敢えてキットのままとした。

シャシーは1ピースでシャフトを通す孔は2つあり、ストックとカスタムの車高が選べる。ただしストックの位置でも不自然だったので、フロントを1mm下げ、リアは2mm上げて若干高めにした。ホイールベースに問題はなくトレッドのみ調整。ボディカラーは1966年の純正色から、BURGUNDY MIST METALLIC(コードN)を選んだ。アクセルSのマゼンダにメジャムイエローとブラック、これにクレオスのC8シルバーで基本色を作る。実際のカラーチップはもっと濃い色調だったが、シルバーをすこし多めにして明るく調整。そのかわり下塗りをブラックとし、光の反射していない部分が濃く見えるようにしてみた。

フルサイズと同一のエンジンだが、キットではワイルドキャットとの共用パーツとはなっていない。エンジン後部からミッションの上部がインテリアの底と干渉してボディ多シャシーから持ち上がってしまうので、エンジン後半の上部モールドは全て削り取った。作例ではプラグコードのみ追加している。

タイヤのレッドラインは、インクジェットプリンタ用のタック紙に、イラストレーターで赤い色のリングをプリントして、サークルカッターで切り抜いた。ラインの巾は約0.5mm。タック紙はフォトペーパーではなく薄手の上質紙を使ったため、濃い色にプリントされる。赤色の配合はマゼンタ85%にイエロー100%。ディスプレー上ではほとんどオレンジに見える。フロントグリルやリアバンパーのフィッティングは少々悪い。すり合わせと、隙間を埋める作業が必要。特にフロントは奥まらないようにする。

さて、問題のストライプだが――ボディカラーの塗装とクリアーコートが終わって充分乾燥させた後、ストライプ部分にあたる凸モールドをペーパーヤスリで丁寧に削り、下地の白プラスチックを露出させてみた。少々「裏ワザ」的な手法だが、参考になれば幸いである。最後に、同じ1966年型ビュイックのフルサイズ、ワイルドキャットとのツーショットをお見せしておこう。このワイルドキャットは先にこちらの記事でご紹介したものである。

作例制作=畔蒜幸雄/フォト=羽田 洋 modelcars vol.168より再構成のうえ転載

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