メルセデス・ベンツ

『ル・ボラン』執筆陣オススメ! いま”買い”な ドイツ車ベスト10 第10位:メルセデス・ベンツCクラス

現在日本では、およそ80種類にもおよぶ魅力的なドイツ車が販売されており、エンジンタイプやグレードの違いを含めれば、その選択肢は無限に広がる。そんな中で、実際にどのモデルが一番オススメなのか? と悩まれる方も多いはず。そこで、多くの試乗経験を持つ『ル・ボラン』執筆陣にアンケートを実施。その集計結果により、総合ベスト10を発表! 一番オススメのモデルは果たして!?

メルセデスの哲学をミドルクラスで具現化、走りから質感まですべてが納得のベンチマーク

現行型のメルセデス・ベンツCクラスは最新世代のMBUXをはじめ、Sクラスでも採用される数々の最先端テクノロジーによって、世界最高水準の安全性能と快適なドライブを提供してくれる。

大谷達也氏:「これほど違和感を覚えないディーゼルも珍しい」
特にオススメなモデル「C220dステーションワゴン・アバンギャルド」
現行型のメルセデス・ベンツCクラスは、近年まれに見る力作だ。まず、ソフトでまろやかな乗り心地が素晴らしい。Cクラスが”アジリティ”を強調し始めたのはW204からだったと記憶しているが、スポーティなハンドリングと引き換えに心地いい乗り味が薄れていったことを個人的に残念に思っていた。

それが最新のW206ではたっぷりとしたストローク感を生み出す足回りに大変身。しかも、これを受け止めるボディがどっしりと落ち着いていて、実に心地いい。「これぞメルセデス!」といいたくなる感触だ。

エンジンはC200の1.5Lガソリンも悪くないけれど、本命はC220dの2Lディーゼル。ISG搭載で始動が圧倒的に滑らかになったうえ、走行中のディーゼル音がほぼ聞こえない静粛性の高さには驚くしかない。しかも吹け上がりはスムーズでパワーの湧き出し方も自然。ガソリンエンジンから乗り換えて、これほど違和感を覚えないディーゼルエンジンも珍しい。

そしてメルセデスにはMBUXがある。その認識率と理解力の素晴らしさもさることながら、インフォテイメント系以外にも動作が及ぶ点は驚異的。ライバルが追い付くまでにはしばらく時間がかかりそうだ。

【写真5枚】世界最高水準の安全性能と快適なドライブを提供してくれる一台。 

インテリアは、Sクラスの要素を取り入れながらCクラスらしいスポーティさを付加。12.3インチのディスプレイを採用するインスツルメントクラスターと11.9インチのセンターディスプレイが標準装備となる。

木下隆之氏:「エントリーモデルでも高級感が備わっている」
特にオススメなモデル「C220d 4マチック・オールテレイン」
ここ最近試乗したドイツ車の中で、ステアリングを握りながら想定した価格と価格表の数字に開きがあったのが、今年の2月に追加された「メルセデス・ベンツC180アバンギャルド」だ。

エンジンは最高出力170ps、最大トルク250Nmを発生する1.5L直列4気筒ターボ「M254」で動力性能は力強い。トランスミッションは贅沢にも9速AT。これに20ps/208NmのISGが組み込まれていることから、極低速からのレスポンス遅れのないマイルドハイブリッドを実現している。Cクラスのカタログラインナップでは廉価版との立ち位置だが、そうとは感じさせない高級感が備わっている。

エンジンフィールは振動の点でマルチシリンダーに劣るものの、操縦性の質感は高い。また、装備の面では、メルセデスの他モデルにも採用されているMBUXなど最新インフォテイメントの装備やADAS系も妥協はない。

そもそも、室内のデザインは最上級のSクラスのそれと酷似している。廉価版と呼ぶには憚れるほどの雰囲気に包まれるのだ。これで価格はC200アバンギャルドに比較して55万円も安い599万円である。僕の予想とは150万円の開きがあった。

◆Specification「メルセデス・ベンツ C220dアバンギャルド」
 全長×全幅×全高=4,755×1,820×1,435mm
 ホイールベース=2,865mm
 車両重量=1780kg
 エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ディーゼルターボ/1,992cc
 最高出力=200ps(147kW)/3,600rpm
 最大トルク=440Nm(44.9㎏-m)/1,800-2,800rpm
 トランスミッション=9速AT
 サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク
 ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
 タイヤサイズ(F:R)=225/50R17:225/50R17
 車両本体価格(税込)=6,820,000円
 問い合わせ先=メルセデス・ベンツ日本:0120-190-610

ホイールベースは従来モデルに対して25mm、後席レッグルームは21mm拡大されたことで、後席の居住性も向上している。また、従来から優れた小回り性能が美点だったが、後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」を採用することで、その機動力はさらに進化。

フォト=小林俊樹 photo : T.Kobayashi

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