国内試乗

ミドルクラスのハイパフォーマーに見る終わりなき探究 -メルセデスAMG C43&アウディRS3編-【メルセデスベンツ×BMW×アウディ2023】

C43の上陸により、久しぶりにミドルクラスのハイパフォーマンスモデル対決が叶った。厳密に言えばアウディはクラスの違うRS3セダンを連れ出したが、小さくたって他の2台に引けを取らないパフォーマンスの持ち主。それぞれの持ち味を存分に発揮してもらった。

意外とマイルドなC43、対してハードなRS3

のっけから言い訳のようで大変申し訳ないのだけれど、この3台を並列に、あるいは直接対決させるには少々無理がある。BMWのM3はまあいいとして、これに当てるのであればメルセデスAMGは本国でデビューしたばかりのC63S Eパフォーマンス、アウディはRS4セダンが順当だ。ところがC63はまだ日本へ入ってきていないし、RS4もセダンの設定がない。苦肉の策として編集部が集めてくれたのがC43とRS3セダンというわけである。従いまして、この3台の厳密な比較による評価はなかなか難しいことを何卒ご容赦ください。

【写真11枚】意外とマイルドなC43、対してハードなRS3。2台の詳細を写真で見る

メルセデスのC43は、C63の存在を前提としたモデルなので、パワートレインにしても足周りにしてもそんなに尖ったセッティングにはなっていない。でも個人的には、かえってこれくらいのほうが日常的にも難なく使えて丁度いいのではないかと思ってしまう。C63は後輪にモーターも備えたハイブリッドで、恐らく未知なる世界を感じられるだろうけれど、680ps/1020Nmというパワーは日本の道路環境において間違いなく持て余してしまうし、そのポテンシャルを十分に引き出せる運転スキルも自分は持ち合わせていないからだ。

見た目が控え目な容姿であることも個人的には好印象である。「AMGですが何か?」みたいな格好はちょっと苦手だ。控え目だけれどよく見るとノーマルとは違うという差の塩梅は、乗り味とも協調していて統一感が感じられる。タウンスピードで普通に走っている限りではノーマルとの極端な違いはほとんどないけれど、少し深くアクセルペダルを踏んだときのレスポンスや加速感、ワインディングロードでステアリングを左右に連続して切るような場面での回頭性や旋回姿勢の安定感などは、明らかにノーマルと一線を画している。わざわざノーマルではなくC43を選んでよかったと実感できる瞬間になるだろう。

アウディRS3セダンは、フロントフェンダー後方にエアベントを設けるなど、ノーマルのA3セダンと比べるとエクステリアデザインだけでもやる気満々である。実際の乗り味も、ちょっと古典的とも言えなくはないけれど、誰もが想像するスポーツセッティングになっている。ばね上の動きはとにかく積極的に抑えにいくタイプで、路面からの入力はほぼ直接的に身体へと伝わってくる。いわゆる硬い乗り心地である。高速巡航時はそれなりに快適ではあるものの、タウンスピード域ではドライバーはともかく、同乗者にはどうしてこういう乗り心地なのかを説明し理解してもらう必要がありそうだ。

(後編に続く)

【SPECIFICATION】メルセデスAMG C43 4MATIC
■全長×全幅×全高=4785×1825×1450mm
■ホイールベース=2865mm
■車両重量=1860kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1991cc
■最高出力=408ps(300kw)/6750rpm
■最大トルク=500Nm(51.0kg-m)/5000rpm
■トランスミッション=9速AT
■サスペンション(F:R)=4リンク:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=245/40R 19:265/35R19
■車両本体価格(税込)=11,160,000円

【SPECIFICATION】アウディRS3セダン
■全長×全幅×全高=4540×1850×1410mm
■ホイールベース=2630mm
■車両重量=1600kg
■エンジン種類/排気量=直5DOHC20V+ターボ/2480cc
■最高出力=400ps(294kw)/5600-7000rpm
■最大トルク=500Nm(51.0kg-m)/2250-5600rpm
■トランスミッション=7速DCT
■サスペンション(F:R)=ストラット:ウイッシュボーン
■ブレーキ(F:R)=ディスク:ディスク
■タイヤサイズ(F:R)=265/30R19:245/35R19
■車両本体価格(税込)=8,390,000円

フォト=郡 大二郎 ルボラン2023年2月号より転載

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