テクノロジー

新型「ベントレー・コンチネンタルGT」がeFuelsを実証、世界初のe燃料によるグローバルメディアドライブを実現

eFuelの使用は、世界的なメディアイベントを含め、CO2排出量全体を削減するベントレーの取り組みの一環。イベント期間中のCO2排出量93%削減

ベントレーは、環境への影響を低減するための継続的な取り組みの一環として、持続可能なe燃料を使用した世界初のグローバルメディアドライブを実施した。スイスで開催された、第4世代「コンチネンタルGT スピードクーペ」および「コンバーチブル」のグローバルメディア向け発表会には、世界中から157名のゲストが集まった。

eFuelは「Highly Innovative Fuels (HIF) Global」が主導し、ポルシェが支援する国際コンソーシアムが開発した完全合成燃料で、チリのマガリャネス地方にある春鬼パイロットプラントで文字通り「無から」作り出される。

ビール工場のプロセスから生物起源CO2を回収し、水を電気分解して水素と結合させてメタノールを作り、これをガソリンに精製する。ベントレーがGlobal Media Driveで使用した混合燃料は「R75」でeFuelが75%、通常のガソリンが25%であった。

また、25.9kWhのハイブリッドバッテリーは、地元の水力発電と風力タービンによる100%再生可能エネルギーで充電された。第4世代の新型コンチネンタルGTのウルトラ・パフォーマンス・ハイブリッド・パワートレイン、eFuelの性能と、ホテルからの100%再生可能電力の組み合わせにより、CO2排出量を以前のイベントと比較して93%削減することができた
[2022年のベンテイガEWB発売時(3.42トン)と第4世代コンチネンタルGTスピード発売時(0.24トン)のドライブルートにおける車両排出CO2総トンの比較]。

【写真13枚】環境に重点を置き、7日間で8,000マイルを走行! 

ドライブルートは、4つの有名な峠(スステン峠、グリムゼル峠、ヌーフェン峠、サン・ゴッタルド峠)を組み合わせたものだ。イベント期間中、12台のコンチネンタルGTスピードは、7日間で合計140万フィート(約427km)を登り、4,500以上のヘアピンを通過し、8,000マイルを走破した。

新型グランドツアラーを運転したゲストは、ベントレーの新しい先進的なデュアルバルブダンパーを備えた新しいシャシーテクノロジーのダイナミックな性能を体験しただけでなく、低回転域でのトルクフィルやギアチェンジのスムーズさを向上させるeモーターを使用したウルトラパフォーマンスハイブリッドパワートレインの長所も実感したという。

現在注文可能なコンチネンタルGTスピードは、CO2 29g/km、217mpgの認定を受けており、来年初頭に販売店に到着する予定だ。

現地でのイベントによる排出量は大幅に削減されたものの、グローバル・メディア・ドライブの主要な環境要因は、国際線のフライトによるCO2排出であることに変わりはない。代替手段がないため、ベントレーはカーボンクレジットを使用してこの分野のカーボン排出量をオフセットし続けている。
eFuelストーリー
eFuels(電気燃料)は合成液体燃料だ。純粋に再生可能エネルギーから得られる水素と、周囲の空気からろ過できるCO2(二酸化炭素)から製造される。この燃料は、既存の車両に改造を加えることなく使用でき、既存の燃料スタンドのインフラでも使用可能で、従来のガソリンと混合することもできる、CO2にニアニュートラルの可能性を持つ燃料である。

ポルシェは、国際的なパートナーおよびチリの事業会社であるHighly Innovative Fuels(HIF)とともに、チリに「ハルオニ (Haru Oni) パイロットプラント」を設立した。この場所が選ばれたのは、再生可能な電力を生み出す風力タービンを駆動するために利用される強風が、かなりのレベルで安定しているためである。チリでは、年間270日間、ヨーロッパのどの場所よりも4倍以上良い条件が揃っている。

風力タービンの電力は、水から水素を生成する電気分解の動力源となる。大気からCO2を抽出するDAC(Direct Air Capture)が来年導入されるのに先立ち、醸造プロセスから生物起源CO2を回収する。このガスは結合されてメタノールを生成し、メタノール・ガソリン合成によってeFuelに変換される。eFuelはさらに精製され、現在の充填所基準に適合する。

第4世代のコンチネンタルGT
新型コンチネンタルGT Speedは、ベントレー史上最もパワフルなロードゴーイングカーだ。この新型グランドツアラーには、782PSと1,000Nmを発揮する新開発のウルトラパフォーマンスハイブリッドパワートレインが搭載され、従来のW12よりも高い馬力とトルクを達成しながらも、CO2排出量は29g/km(*イベント全体のCO2総発生トン数をゲスト数で比較。ベンテイガEWB – 104名で約743トン vs 157名で約790トン)と大幅削減された。

パワートレインの性能は、新しい2チャンバーエアスプリングと新しいデュアルバルブダンパーを組み合わせた新しいシャシーシステム、ベントレーダイナミックライド(48Vアクティブアンチロールコントロール)、eLSD、トルクベクタリングとマッチしている。

信じられないようなボディコントロールとコンチネンタルGT史上最高の乗り心地は、49:51というコンチネンタルGT史上初のリアに偏った重量配分によって支えられている。新しいエクステリアは、コンチネンタルGTのフェイスを過去20年間で最も大きく変更し、1950年代以来初めてシングルヘッドランプを採用したベントレーのメインストリームとなるなど、ベントレーの未来の旅路に向けたデザイン革命を続けている。

インテリアキャビンのクオリティは、完璧なデザイン、息をのむような素材とクラフツマンシップを継承していう。ウェルネスシートテクノロジー、新しいエアイオンシステム、立体的なレザーの質感、新しいモダンなキルティング、新しいダーククロームなどのテクニカルな仕上げの導入により、クラスをリードするインテリアがさらに進化した。

LE VOLANT web編集部

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