クルマの命綱ともいえるシートベルトは、正しく着用することが重要です。もし、正しく着用していなければ、全身の強打や車外放出などの重大事故に発展してしまう可能性があります。そこで今回は改めてシートベルトの重要性を解説するとともに、エアバッグとの関係性についても紹介します。たった1つの装置がいかに重要であるか改めて確認していきましょう。
シートベルトの着用率と重要性
全席着用が義務付けられているシートベルトの着用率は、未だに100%になっていません。警察庁とJAFが合同で実施した「シートベルト着用状況全国調査(2023年)」によると、シートベルトの着用率は以下のようになっています。
【一般道路】
・運転者:99.2%
・助手席同乗者:97.1%
・後部座席同乗者:43.7%
【高速道路】
・運転者:99.6%
・助手席同乗者:98.6%
・後部座席同乗者:78.7%
この統計データからも、着用率が100%になっていないことが明らかとなっています。では、シートベルトを着用していなかった場合、どのような危険性があるのか改めて確認していきましょう。
シートベルト未着用時の危険性
シートベルトを着用していなかった場合、次のような危険性があります。
・急ブレーキや事故の際に全身を強く打ってしまう
・フロントガラスや前席の乗員に突っ込んでしまう
・窓が空いていた場合に車外へ放出されてしまう
・エアバッグによる事故やケガが起きてしまう
など
このような危険があるため、クルマに乗ったときはシートベルトを着用することが重要です。ただし、一部例外的にシートベルトの着用を免除させるケースがあります。例えば、負傷・障害・妊娠中などの理由によりシートベルトを装着することが療養上・健康保持上適していない場合や、後退するときなど、やむを得ない理由があるときは、シートベルトの着用が免除されます(道路交通法施行令第26条の3の2)。
シートベルトを着用しているからこそ機能するエアバッグ
シートベルトを正しく着用していない場合、エアバッグも危険な装置に変わってしまいます。エアバッグは、シートベルトを正しく着用していることを前提とした安全装置となっているため、エアバッグが取り付けられている場所を見てみると「SRS AIRBAG」と書かれている場合が多いです。
このSRSとは、「Supplemental Restraint System」の頭文字で、直訳すると「補足・拘束・装置」となります。つまり、シートベルトでしっかり拘束されている乗員を補足するための安全補助装置ということです。
このことからも、エアバッグはシートベルトが正しく着用されていないと本来の機能を発揮することができない安全装置であることがわかります。
クルマの安全装置のひとつでもあるエアバッグがあるから大丈夫だろうと思い込み、シートベルトを着用しなかった場合、思わぬ事故やケガを負ってしまうことがあります。エアバッグで事故やケガをしないようにするためにも、シートベルトは確実に着用しましょう。
命を守るために乗員全員のシートベルト着用を確認してから走り始めよう
命を守る“命綱”ともいえるシートベルトは、正しく着用しなければ効果を得られません。また、安全装置であるエアバッグもシートベルトの着用を前提としている安全装置です。そのため、クルマに乗ったら、運転者は乗員全員がシートベルトを着用しているか確かめ、全員のシートベルト着用が完了してからクルマを発進させましょう。