22年の沈黙を破る「歴史上最大の変革」。次期型ハイエースの全貌
2004年に発売された現行型(H200系)の登場からすでに22年が経過し、トヨタを代表する商用バン「ハイエース」がいよいよ世代交代の時を迎える。20年以上にわたり幾度もの改良を重ねてきた現行型だが、ついに生産終了が近づいている。
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世界屈指の人気商用車であるハイエースは、海外市場では2019年にH300系へとフルモデルチェンジを果たしている。今回投入される日本仕様の新型は、この海外先行販売の300系をベースにしつつも、日本市場向けに専用リデザインが施される予定であり、ハイエースの歴史上最大の変革になる見通しだ。
さらばキャブオーバー。日本の道に最適化された専用設計パッケージ
次期型における最大の変化は、長年親しまれてきたキャブオーバー型デザインの廃止である。従来のフロントミッドシップエンジン(座席下エンジン)からフロントエンジンレイアウトへと、抜本的な構造変更が行われる。
ベースとなるH300系よりもボンネットを短く設計し、日本の狭い道路事情により適した取り回しの良さを確保。TNGAプラットフォームを採用し、旧型のH200系と比べて安全性と乗り心地が飛躍的に向上すると見込まれている。フィリピン、タイ、オーストラリア等の市場で展開されているH300世代と部品を共有することで、合理的な車両開発が行われる見込みだ。
驚きの燃費20km/Lへ。ハイブリッドの搭載
パワートレインの進化も目覚ましい。既存のディーゼルエンジンやガソリンエンジンよりもパワフルかつ高効率な、ハイブリッドパワートレインが搭載されると予想される。
このハイブリッド化により、燃費性能は現行型から飛躍的に伸び、15km/Lから20km/Lに達することが期待されている。一方で、計画されていたBEV(電気自動車)バージョンについては、現在のEV市場の伸び悩みを受け、導入がいったん見送られる方針に変更されたようだ。ただし、数年以内にBEVが追加導入される可能性も十分に考えられる。
多彩なバリエーションと今後のスケジュール
次世代モデルの具体的な姿は、2025年のジャパンモビリティショーで初公開された「ハイエース コンセプト」が示唆している。コンセプトモデルは、ロングホイールベース・ハイルーフ仕様と、標準的なバン仕様の2台が披露された。どちらのモデルも、2023年のトヨタ「カヨイバコ コンセプト」にインスパイアされた、モダンなLEDライトとすっきりとしたデザインを採用している。
ただし市販化にあたっては、コスト削減の観点から複雑なLEDデイタイムランニングライトの採用は避け、シンプルなLEDグラフィックに落ち着く可能性がありそうだ。現行型と同様に、乗用シャトルやキャンピングカーへの改造ベースとしても活用できる、複数のボディスタイルバリエーションが用意されると予想される。さらにハイエースだけでなく、ダイハツのコンセプトカー「KAYOIBAKO-K」をベースにした、都市部での配送や短期キャンプ向けに設計された小型バンもラインナップに加わる予定だ。
気になるハイエース次期型のワールドプレミアは、最速で2026年末、あるいは2027年前半になると予想されている。全く異なる姿へと生まれ変わる絶対的王者の登場に、期待は高まるばかりだ。
【ル・ボラン編集部より】
キャブオーバーの終焉は単なる構造変更ではない。「極限の空間効率」という日本の伝統的商用バン思想が、グローバル基準の安全性へ道を譲る歴史的転換点である。だが、TNGA採用による走りの洗練とハイブリッドの静粛性は、過酷な現場において「疲労軽減」という最強のツールになるはずだ。乗用車的な快適性とプロユースのタフネス。相反する要求を高次元で統合する次期型は、基本骨格のポテンシャルを日本の道へアジャストさせる、したたかな最適解といえる。













