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【500台限定】V8搭載のレクサス「IS500」に最終モデルか? 特別仕様車「クライマックスエディション」は足元をBBSとブレンボで武装

レクサスから特別仕様車「IS500クライマックスエディション」登場

2013年の登場以来、10年以上にわたりレクサスのFRスポーツセダンの中核を担ってきた3代目「IS」。その長い歴史は、熟成の歴史でもある。度重なる改良で走行性能と先進安全装備を磨き上げてきた。そんな現行ISの歴史に、一つの大きな節目を刻む特別なモデルが発表された。その名は「IS500 “Climax Edition”(クライマックスエディション)」。その特別な設えは、まさしくシリーズの集大成、一つの到達点(クライマックス)であることを雄弁に物語っている。

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絶滅危惧の至宝、5リッター自然吸気V8エンジン

この限定車、IS500クライマックスエディションの核心にあるのは、もはや現代においては“至宝”と呼ぶべきパワーユニット、2UR-GSE型5.0L V型8気筒自然吸気エンジンだ。この大排気量の自然吸気エンジンを搭載して2021年に登場したIS500は、電動化の波が押し寄せ、ダウンサイジングターボが全盛の現代において、実に希少な存在となった。

そのスペックは、最高出力354kW(481ps)/7100r.p.m.、最大トルク535Nm(54.6kg-m)/4800rpmというもの。しかし、このエンジンの真価は単なる数値では表せない。アクセルペダルを踏み込めば、ターボラグとは無縁のリニアなレスポンスとともに、7000rpm超のレッドゾーンまで一気に駆け上がる。高回転域で炸裂する官能的なサウンドと、どこまでも伸びていくかのような加速フィールは、ドライバーの五感を揺さぶる。これこそが、大排気量自然吸気エンジンでしか味わえない醍醐味であり、多くのクルマ好きが追い求めてきた内燃機関の理想形の一つと言っても過言ではない。

「クライマックス」の名にふさわしい特別な装備群

「クライマックスエディション」は、その名に恥じぬ特別な装備が与えられている。まずエクステリアで目を引くのは、特別設定色の「ニュートリノグレー」。光の当たり方で陰影が変化する深みのあるこのカラーは、ISのシャープな造形を一層引き立てる。

足元には、走りのポテンシャルを象徴するBBS製19インチ鍛造アルミホイールを装備。標準モデルのグロスブラックとは一線を画す、特別仕様のマットブラック塗装が施され、精悍で引き締まった印象を強調する。その奥には、制動性能の向上と耐フェード性を確保するブレンボ製フロント対向6ポッドアルミ製キャリパーと大径ディスクブレーキが鎮座。まさに「走り」のクライマックスを追求した本気の証である。

インテリアに目を向ければ、そこは特別な空間が広がっている。ブラックを基調としながら、シートやドアトリム、センターコンソールなどに鮮やかなフレアレッドのアクセントを大胆に配置。ステアリングやシフトノブにはディンプル本革を採用し、スポーティな中にもレクサスならではの上質さを感じさせる。

アナログクロックは、立体構造の文字盤を複数層で塗装し、さらにレーザーで赤色を削りだす緻密な加工を施すなど、細部にまで徹底的にこだわっている。さらに、センターコンソールやスカッフプレートには「Climax Edition」の専用意匠が刻まれ、8インチTFT液晶式メーターも専用のオープニング画面でドライバーを迎える。これらの演出は、このクルマが単なる移動の道具ではなく、選ばれたオーナーだけが享受できる特別な一台であることを強く意識させるものだ。

一つの時代の終わりと、伝説の始まり

このIS500クライマックスエディションは、500台の限定販売で、価格は950万円(税込)と発表されている。これは、標準のIS500 Fスポーツパフォーマンスから100万円高の設定だが、その特別な装備と希少性を考えれば、むしろバーゲンプライスとさえ言えるかもしれない。

前述の通り、レクサスはこのモデルを「ファイナルエディション」とは呼んでいない。しかし、「クライマックス」という言葉を選んだ背景には、純粋なガソリンV8エンジンを搭載したFRスポーツセダンという存在が、自動車史において一つの頂点を極め、そして新たな時代へと移行しつつあるという作り手のメッセージが込められていると解釈するのは、決して深読みではないはずだ。大排気量自然吸気V8エンジンの咆哮を新車で手に入れることができる、おそらくはこれが最後のチャンスとなるだろう。

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