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日産が中東市場をメインに販売しているフラッグシップSUVの「パトロール」。日本市場での販売は現在のところないが、販売されるのではないかと噂もされている。そんな中クローズドコースでパトロールを試乗する機会を得た。オンロードであるが、その完成度の高さには驚かされた。
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2024年9月に7代目へとフルモデルチェンジしたパトロールは、中東市場を中心に人気の高い1台で、なんと中東ではこのクラスの約半数というシェアを誇る人気のモデルなのだ。この新型モデルが日本市場へ導入されるのではという期待感が高まっているが、現時点での正式なアナウンスはない。しかし、このように日本メディアを招いて試乗会を行うということは、日本市場での販売にかなり前向きであると思われる。
新たに「e-ダンパー」を採用
新型パトロールのメカニズム的なハイライトは、パワートレインと「e-ダンパー」の採用だ。新たに採用された3.5LのV6ターボエンジンは出力、トルク、燃費全てで向上しているが、こだわったポイントはスロットル操作に対してトルクの出方がレスポンス良く緻密であること。また、e-ダンパーは走行状況に応じてダンパー設定を自動的に調整する。パトロールという車種を考えれば当然オフロード性能は必要とされるが、今回はオンロードでの乗り心地にも注力したという。
トルクの出方に強いこだわり
実際に乗ってみるとラダーフレーム車とは思えないスッキリとした一体感のある乗り味に驚かされる。もちろん、モノコックボディの高級SUVと肩を並べる乗り心地と操縦安定性ではないが、ラダーフレーム車の中で見ればトップクラスなのではないかと思う。ステアリング操作に対して、しっかりとフレームに載せられた上物のボディが遅れずについてくる。そんな印象だ。なにも聞かずに乗ればモノコックボディのクルマと思ってしまうかもしれない。ステアリングフィールもセンター付近からしっかりとインフォメーションがあるものとなっていて、オンロードでドライバーに不快感を与えない乗り味となっている。
そしてエンジン。動力性能が文句なしなのは当然だが、トルクの出方へのこだわりを強く感じた。低回転域からトルクフルなのはもちろんであるが、踏んだら踏んだだけ、即座にトルクが発生し、スロットルペダルを通してきめ細かなトルク操作ができる印象。これは不安定なオフロード走行時の武器になることは間違いないだろう。
また、最新のインフォテインメントや死角を補う各種ビューモニターなどの装備も充実しており、この辺りはフラッグシップに相応しい内容となっている。特にフロント周りのビューモニターは、広角カメラ1つから各種情報を処理して表示しており、実際に狭い路地を想定した走行ではとても役立つ機能となっていて、その技術力の高さには驚かされる。それに加えメーターとセンターモニターに跨ってのカメラ映像の表示も可能で、視線移動が少なく使い勝手が良い。この装備は日本市場へ導入された場合でも人気の装備となることだろう。
本領を発揮するのはオフロードとなるパトロールだが、今回のオンロード試乗では完成度の高さが強く感じられた。繰り返してしまうが、オンロードでの乗り心地はラダーフレーム車トップクラスと言える。日本市場への導入に期待したい1台だ。